矢沢宏太 vs上沢「絶対に打つと決めていた」 お世話になった先輩だからこそー
二回2死満塁、ソフトバンクの上沢から適時打を放った矢沢(左)=撮影・松本奈央
■オープン戦 日本ハム8-3ソフトバンク(3月16日、みずほPayPayドーム)
「2番・右翼」で先発し2安打2打点2盗塁!
日本ハムの矢沢宏太投手(24)がソフトバンクとのオープン戦にスタメン出場し、2安打2打点2盗塁と気をはいた。
米大リーグを経てソフトバンクに移籍した上沢直之投手(31)と初めて対戦し、攻略の先陣を切った。開幕1軍、開幕スタメンが視界に入ってきた。
一回1死、矢沢が右前打を放つ=撮影・井上浩明
インパクト大の活躍にも「僕はギリギリの立場」
1打席目は直球を右前にはじき返し、続く松本剛への初球で盗塁。容赦なく、ボディーブローを打ち込んだ。二回は2死満塁で変化球を中前へ運び、2点打。直後、2走・五十幡のスタートに合わせて動き、重盗を成功させた。
2番打者として機能し「僕はギリギリの立場なので1本だけでは足りない。2本は打たないといけないな、というところだったので良かったです」と一安心だった。
一回1死、ソフトバンクの上沢(左)から右前打を放った矢沢
気合十分で打席へ 〝恩返し〟に成功
試合中、広報を通じて「きょう、絶対に打つと決めていました」と感情を込めたタイムリー談話を発表していた。
これは、上沢との対決を意識した発言だったと認め「お世話になった先輩ですし、いいピッチャーだなと思いながら守っていて、打ちたかったです」と明かした。
一回1死二、三塁、吉田の右犠飛で生還した矢沢(左)
投球スタイルは重々承知
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日本ハムで一緒に戦ったのは1年だけだったが、投手を兼任している分、上沢は身近だった。球種などの情報や投球スタイル、フォームの特徴は把握していた。だから、迷わず、盗塁を仕掛けることもできた。
「(日本ハム時代に)見ていましたし、映像でも確認していました。ほかのピッチャーより知っているので、やりやすかったのかなと思います」
二回2死満塁、中前に2点打を放った矢沢
オープン戦打率.333と好調をキープ
プロ1年目から自らの強みを生かし、二刀流を実践してきた。ただ、今年は新庄監督ら首脳陣の意向に沿って、野手をメインにプレーすることを決めた。
2月の春季キャップで1軍メンバーに入ると、試合でコンスタントに結果を残し、オープン戦はここまで打率.333をマークしている。
二回2死一、二塁で二盗を決めた矢沢(左)
目標達成へさらなるアピールだ!
投手のトレーニングをセーブし、野手に比重を置くと決めた時点で、開幕スタメンを目標に掲げた。オープン戦は残り5試合。着実に前進しているが「本当に毎試合、アピールをし続けなければいけない立場なので。必ず開幕に残れるように、試合に出られるようにやっていきたい」と表情を引き締めた。
攻めの姿勢は崩さない。非凡な才能を持つ3年目のドラ1は、謙虚に熱く、有言実行を果たす。