31歳の一山本 新横綱豊昇龍破り初金星 朝食は意外にも○○派
豊昇龍(右)をすくい投げで破った一山本
■大相撲春場所9日目 ○一山本 すくい投げ 豊昇龍(3月17日、エディオンアリーナ大阪)
一山本(後志管内岩内町出身)が新横綱豊昇龍をすくい投げで破り、初金星を手にした。豊昇龍は4敗目。新横綱の三つ目の金星配給は昭和以降で最多に並ぶ不名誉で、1964年春場所の栃ノ海以来4人目。
笑顔満開「相撲には集中できた」
異色の経歴を歩んできた31歳の一山本が初めてずくめの舞台で躍動した。過去に横綱戦はおろか、結びの一番の経験もない。うれしい初金星をつかみ、支度部屋で報道陣に囲まれると「珍しく多いな。初めての結びで時間を持て余したけれど、相撲には集中できた」と笑顔満開だった。
豊昇龍を破って初金星を挙げ、支度部屋で笑顔をみせる一山本
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立ち合いのもろ手突きを豊昇龍にかわされたが、深く差した左のかいなを返して前進。右小手投げをこらえ、最後は左すくい投げで尻もちをつかせた。「左を差したので走るしかないと思った。投げも分かっていて対応できた」と冷静だった。
中大相撲部出身 異色の経歴の持ち主は
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強豪の中大相撲部で鍛え、卒業後は北海道福島町役場に就職。町内の相撲教室での指導に刺激され、格闘技経験者らの新弟子検査の年齢制限が25歳未満に緩和された新規定の適用第1号として、2017年初場所に23歳で初土俵を踏んだ。
一山本(右)がすくい投げで豊昇龍を破る
えっ、ちゃんこ鍋は?
相撲部屋では朝稽古後に米や鍋を食べるのが一般的だが、一山本は「朝はパン派。鍋は嫌い」とマイペースを貫く。語り口も明るく朗らか。師匠の放駒親方(元関脇玉乃島)は「基本的にマイナスのことを考える人間ではない」と、たくましさを表現する。
「残り6日間、一番でも多く」
北海道出身力士としては1984年九州場所の保志(後の横綱北勝海)以来の金星。自己最高位の西前頭4枚目で白星を先行させ「残り6日間、一番でも多く勝ちたい」と一山本。あっけらかんとした表情で先を見据えた。
豊昇龍を破って初金星を挙げ、笑顔で支度部屋へ戻る一山本