守護神・田中正義 1回無失点 スコアボードのフルネーム表記に隠された思い
九回に登板し、1回を無失点に抑えた田中=撮影・松本奈央
■オープン戦 ヤクルト3-3日本ハム(3月22日、エスコンフィールド北海道)
ノーヒットピッチングで〝3人斬り〟
日本ハムの田中正義投手(30)が22日、九回からマウンドへ。1死から死球で走者を出したものの、伏見寅威捕手(34)の盗塁阻止もあり、打者3人で抑えた。
同学年の斎藤友貴哉投手(30)とW守護神に指名されている右腕が、シーズン開幕に向けて万全の仕上がりをアピールした。

死球を猛省も剛球で2奪三振
試合後は、カウント1―2から赤羽に死球を当ててしまったシーンを振り返り「フォークがちょっと抜けて当たってしまったので、しっかり投げきって、あそこを決めきれるようにって感じですね」と反省。申し訳なさそうな表情を浮かべたが、最速152キロをマークした直球を軸に2奪三振と力でねじ伏せた。
安定感抜群 OP戦5試合で防御率0.00
今季初の実戦登板となった2月22日のヤクルト戦(浦添)から、オープン戦は5試合連続の無失点だ。
「あまり関係ないです。開幕からチームに安心感を与えられるようなピッチングをしたいです」と、おごりはない。

日本ハム加入3年目 チームに不可欠な存在
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ソフトバンクから加入し、今年で3年目。昨季まで2年連続20セーブをマークし、ブルペン陣に欠かせぬ存在となった。本拠地・エスコンフィールド北海道に登場曲のCreepy Nuts「スポットライト」が流れると、ボルテージは一気に上がる。
フルネーム表記へのこだわり
今年から球場のスコアボードに「田中正義」とフルネームで表記されるようになった。昨年12月に田中瑛斗が現役ドラフトで巨人へ移籍。同姓の選手はいなくなったが、あえて「田中」にはしなかった。
チームメートには「正義」と下の名前で呼ばれることが多く、ファンには英語表記「ジャスティス」の愛称で親しまれている。「田中正義とスコアボードに表示されたら、きょうは勝ったな、っていうふうに思ってもらえるようにしたい」。そんな思いをひそかに込めたという。
田中(左下)の登板時のスコアボード表記がフルネームに変更された
さあ開幕へ準備OK 「ゼロで抑えるだけ」
オープン戦は残り1試合。展開次第ではあるが、この日が開幕前最後の登板となる可能性が高い。
「(状態は)悪くはないので、あとはけがのないように開幕を迎えたいです。やるだけなので、本当ゼロで抑えるだけですね」。強い覚悟を胸に秘め、田中正義は重圧が懸かるマウンドに立つ。