【センバツ】東海大札幌高が太田ツインズのお膳立て&鈴木賢有V打で校名変更後初勝利
九回2死一、二塁、勝ち越し打を放つ東海大札幌高の鈴木=撮影・小田岳史
■選抜高校野球大会(3月23日、阪神甲子園球場)
▽1回戦 東海大札幌高7-6日本航空石川
シーソーゲーム制し春夏通算10勝目
1回戦の大トリで登場した10年ぶり出場の東海大札幌高が、日本航空石川と互いに2桁安打の打ち合いになったシーソーゲームを劇的な逆転で制して2回戦に駒を進めた。1点ビハインドの九回2死一、二塁から4番・太田勝馬一塁手(3年)が同点適時打、最後は5番・鈴木賢有捕手(3年)の決勝打を放って、2016年春の校名変更前の東海大四時代を含めて春夏通算10勝目をたぐり寄せた。25日の2回戦では浦和実業と対戦する。
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歴代監督4代連続の初陣初勝利
試合終了後、校歌斉唱を見守る東海大札幌高の遠藤監督(中央)
あとアウト1つまで追い込まれた東海大札幌高が、土俵際から見事な逆転劇で勝利した。昨秋に就任した遠藤愛義監督(40)は初陣初勝利。守備で5つの失策が全て失点につながる嫌な展開も、最後は自慢の強力打線が爆発。歴代監督4人連続で甲子園初陣初勝利を達成した遠藤監督は「もう信じるしかなかったので。祈るじゃないけど、打ってくれると思って見守っていました」。750人が応援に駆けつけた三塁側アルプススタンドに準優勝した15年以来となる10年ぶりの勝利を届けた。
エース高橋の激励に鈴木が応えた 「終盤3回の強さっていうのを…」
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決勝打の鈴木は、その名に恥じない活躍で東海大四、東海大札幌高の歴史に新たな1ページを刻み込んだ。賢有の名前は元日本ハムの田中賢介とダルビッシュ有から1文字ずつ取ったもの。それまで4打席ではヒットが出ていなかったが、ここぞのところで打席が回ってきた。「前のバッターたちがチャンスをつなげてくれたので、自分がここで決めるしかないと思って。高橋(英汰)も『ここは楽に行けるぞ』って言ってくれたので、自分的にも楽に入れた」。
カウント1-2からの4球目のスライダーを振り抜くと打球は左前へ。「狙い球もしっかり振り抜けたっていうことはとても大きかった」。二走・太田勝心(3年)が決勝のホームを踏んだ。勝負どころで粘り強さを発揮した打線に「日頃から、終盤の3回の強さっていうのをチームで意識してるので、そこは出せたのかな」とはにかんだ。
九回2死一、二塁、勝ち越しの左前適時打を放つ鈴木=撮影・村本典之
ツインズ2人で活躍したい
太田ツインズが決勝打の鈴木とともに、主軸としての役割を十二分に発揮した。兄で3番の太田勝心(3年)は「2人とも試合に出ていたら2人とも打って活躍したいし、チームに貢献できたらいいなと思ってます」。それを象徴したのが、一回と九回だ。まずは1死一塁から兄・勝心が中前打で好機を広げ、弟・勝馬の適時打で先制。1点を追う九回には2死一塁から兄・勝心が四球で好機を広げると、弟・勝馬が値千金の同点打を放ち、一塁でガッツポーズを繰り出した。
2打点の活躍をした弟・勝馬は「ファーストストライクからどんどん振っていった結果が、ヒットにつながったのかな」と振り返り、兄の勝心は「打ってくれるだろうと思ってた」と自らの出来事のように喜んだ。右と左で打席は違うが、宿舎でも鏡あわせのように互いのフォームなどをチェックしながら高め合ってきた。
㊧一回1死二塁、中前打を放つ東海大札幌高の太田勝心㊨九回2死一、二塁、東海大札幌高の太田勝馬が同点打を放ちガッツポーズ
露呈した課題を克服して日本一へ
2回戦への課題は明確だ。5つのエラーが全て失点につながった。八回、死球から犠打エラーなどで1死ニ、三塁のピンチを迎え、山田優斗三塁手(3年)の送球が本塁から逸れて、鈴木捕手もボールに触ったが捕球しきれずに一時勝ち越しを許した。エラーは山田に付いたが、鈴木は「自分がタッチを急いだのもそうですし、ボールがスライドしたのを自分が反応できなかったっていうのは反省です。次の試合でも、しっかり勝ち切って、日本一まで上り詰められたら」。10年前と同様、トーナメントの右端のカードからの快進撃を再現してみせる。
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