《愛媛戦後》喜びながらも自分たちを戒めて、内容を突き詰めて次に進みたい
■J2第6節 愛媛1-2札幌(3月23日、愛媛・ニンジニアスタジアム)
―試合を振り返って
「内容的には思っていた通りの試合にはならなかった印象です。その分、こういう試合で勝ち点3を取りきることは非常に大きいと捉えています。連戦のスタートで勝ちきった選手たちを褒めたい。特に立ち上がりの不安定な中で失点した展開で、アウェーで逆転するのは難しい。結果としては非常に良かったと思っています」
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―1点目は相手DFが5枚いる状況でサイドをえぐった。監督の求める理想的なゴールか
「理想…。僕は選手たちが点を取ってくれれば何でも良いです。前半の苦しい展開の中でも、サイドを崩しきったシーンはいくつかあった。その辺はコンサドーレが継続してやっていること。近藤という武器もありますし、色々なことが重なった。今はチームをつくっている段階で、成功体験がとにかく大事。先制されたところから逆転勝ちしたのは大きな成功体験。後半は相手のペースが長かったけど、我慢しながら勝ちにつなげたことを含め、チームは少しずつ進んでいる」
―FW陣にゴールが生まれた。競争という意味でも大きな得点
「大きいですが、時間の問題だと思っていました。アマ(バカヨコ)もゴニ(金健熙)も開幕後は少しコンディションが悪くて、なかなか使えなかった。彼らが戻ってきてゴールを決めきる選手がいるというのは、チームにとって心強い。結果が出て自信を付けて、競争してくれればチームは当然勝ち点3を拾いやすくなる。ようやく色々なものが好転し始めた」
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―開幕前から札幌の強みと話していたディサイダーが決着を付けた
「きょうは早めの交代策で、もう少し試合展開に効果的に響くかな? という手を打ったつもりでいた。なかなかうまくいかず次の手、次の手と打ちました。点を決めたのは、流れを変えられたというよりも、選手たちのおかげ。特にゴニの決めきる力だと思う。彼自身、今年に懸ける思いは非常に強い選手。それが結果に出たと思っています。いずれにしてもベンチメンバー、ディサイダーと呼んでいる選手たちの競争が激しくなって充実している。昨日も伝えましたが、開幕当初はケガ人がいた。(現在の)このような選手層の中で競争させることができれば、当然結果は出るだろうというところです。僕自身がもう少し戦術的なところを準備しなければいけないと、逆に感じてます」
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―内容的に満足できなかった部分は
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「愛媛さんが違うやり方をしてくるかもしれないという情報があった。前半に5ー4-1からカウンターを狙うことは、彼らの哲学からすると意外でした。試合前に確認したつもりでしたが、今年は5-2-3を相手に試合をしたことは一度もない。相手に対してどのように前進するかが見えず、相手が5枚待ち構えているところで背後にボールを送り込めない展開が続いた。そこが誤算でした。後半は相手もボールを動かすようになったが、自分たちは愛媛さんに対してコンパクトな守備組織のトレーニングをしてきたつもり。それがうまく機能しなかった。自分たちがボールを取り切れず、逆に彼らにチャンスを与えた。この辺りを最初の4連敗の時と違って、勝ちながら修正できる。それをプラスに捉えて、守り方が変わっているところをもう少しみんなで理解して、より洗練させないとJ2の戦いに勝っていけないと感じました」
―苦しいシーズンの始まりから少しずつ好転してきた
「これは単純に時の流れです。僕はこの世界にいて、だいたい4、5試合ぐらいで流れが変わると思っている。自分たちが特別に何かを変えたわけではありません。内容としてはきょうの試合よりも、山口戦やジェフ戦の方が良かった。それでも勝ち負けが付く。サッカーにおいて僕は、勝ったからといって全ての要因を勝因と捉えて、負けた時に全ての要因を敗因と捉えるのは正しくないと思っている。きょうは逆に、勝ったからといって全てを勝因とは捉えない。しっかり、うまくいかなかったことを分析して次につなげないといけない。その繰り返しの中でチームは勝つ確率を上げていける。サッカーはすごく確率の低いシュートでも1点が入ることがあるし、それによってスコアが決まることもある。そのスコアだけで勝った負けたを語っていると間違えてしまう。きょうは勝ったことを喜びながらも、自分たちを戒めて内容を突き詰めて次に進みたい」
―勝ち点を拾うことと、理想のサッカーを追求する。バランスが難しい
「プロとしては100%、次の試合に勝ちに行っている。その中には選手たちの失敗も含まれる。成長のためには失敗が含まれていると思います。これはチームづくりをする段階で非常に大事な視点。起こったことをダメだ、失敗だと捉えて、選手たちをののしるつもりはない。それをチームの失敗と捉えるつもりもない。僕たちは今、段階として新しいことに取り組んでいる。7年間やっていたフットボールを変えている段階。そこでは当然、起こるエラーがある。全てを1年で解決できるとは思ってない。同じ時間軸の中で、世界中のチームが同じ事をしている。冷静に捉えて選手たちに話をしているし、自分自身も焦ることなく、慌てることなくチームづくりをしないといけない。僕には色々なプレッシャーが掛かりますが、選手たちには掛からないように。僕自身が冷静に分析して、次の試合に向けて準備をするという繰り返しです。どちらに比重を置いてるつもりはない。全ての試合に勝つためにやっていますし、毎試合、僕は緊張で眠れないほど準備をしている。今の段階では、例えば一つのミスをした選手に対して、この選手は使えないとか分かってないとは思わない。失敗を重ねながら学ぶものと思っている。学ぼう、成長しようとしている選手を拾いながらチームをつくるという捉え方です」
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