マルティネス 〝サンデードーナツ〟を差し入れ 「豪将さんはいろんなことを教えてくれた」
七回2死、左前打を放ったマルティネスが代走を送られ、ベンチに戻る=撮影・桜田史宏
■オープン戦 ヤクルト4-7日本ハム(3月23日、エスコンフィールド北海道)
幸先の良いオープン戦V
日本ハムのアリエル・マルティネス捕手(28)が「7番・一塁」で先発出場。七回の第3打席で左前打を放ち、オープン戦を締めくくった。
チームは前日22日に、15年ぶりのオープン戦〝優勝〟を決めたばかり。「僕たちは準備ができている証拠だと思う。次は交流戦優勝、レギュラーシーズン優勝、日本シリーズで優勝。これができたら、文句ないなと思います」と言葉に力を込めた。
昨季限りで引退した仲間の意思を受け継ぐ
この日は日曜日。試合前には選手、報道陣へ「チームもメディアの方々も良いシーズンを!!」と、大量のドーナツを差し入れた。
メジャーリーグでは一般的だという〝サンデードーナツ〟の慣習。マルティネスは「加藤豪将さんが去年までいらっしゃって、日曜日の恒例行事だったので僕が受け継ぎました。去年、僕もちょっとやっていたんですけど、継続しようと思いました。豪将さんはいろんなことを教えてくれたので」と意図を明かした。

徐々に広がっていった〝ドーナツの輪〟
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始まりは2023年シーズン。当時入団1年目だった米国育ちの加藤豪が、日曜日のホームゲームのたびに報道陣へ「ミスタードーナツ」を差し入れていた。昨年はそのうわさを聞きつけた外国人選手も仲間入りし〝ドーナツの輪〟がどんどん広がっていった。
きっかけをつくった加藤豪は昨季限りで引退。習慣はなくなるかと思われたが、先頭に立って受け継いだのがマルティネスだった。誰に勧められたわけでもなく、通訳にドーナツの購入を依頼した。
チームメートにも配り「みんな喜んでくれたし、感謝してくれました」とニッコリ。シーズンを前に、みんな大好きなスイーツを通して一体感が高まった。今後も「日曜日は基本的にできたら良いなと思っています。チームと報道陣の皆さんに」と継続していく予定だという。

さあ開幕へ! 心機一転のイメチェンも完了
開幕に合わせて「床屋さんからもう一回、銀に染めなよ」と勧められ、ど派手なシルバーヘアにイメチェンした。
心優しい助っ人は、お世話になった「加藤さん」の思いを引き継いでいく。
22日の試合中、真剣な表情でバットをチェックするマルティネス