田中正義のオフ限定コラム「正義の胸の内」　守護神の秘めた思い「もっと上の景色を見られるように」

守護神がつづる大好評連載　今回が一区切り

　オフシーズン限定でお届けしている日本ハム・田中正義投手（３０）の連載コラム『正義の胸の内』は、今回でひとまず最終回。同学年の斎藤友貴哉投手（３０）とＷクローザーに指名されている右腕が、今の本音をつづります。ソフトバンクから移籍し、今年で３年目。大きな重圧と戦う中でのリフレッシュ方法とは―。最高の景色を見るために、全精力を傾けてマウンドに上がることを誓った。

役割は不変　スコアボードに刻む「０」

　ここまで痛いところもなく、順調に来ていると思います。オフの取り組みも、形になりつつある。シーズン中はずっと調子がいいとは限らないので、調子が悪い時も、ゼロで帰って来られるようにするのがポイントだなと思っています。

求められる揺るぎない精神力　責任も痛感

　今年のテーマは、頑丈さ、タフさ。ランナーが出ようが、ヒットを打たれようが、どっしり投げ続けるのが大事になる。もし九回を投げるのであれば、勝ったままゲームが終わればいいので、そこにフォーカスしたいです。

　昨年までは、平常心でいられない日々が続きました。今年はそれを減らしていきたい。２年間１軍で経験させてもらって、年俸も上から数えた方が早いところまで来ました。おととし、去年と立場も責任も違うなと感じています。

過酷な役割は重々承知　

　チームでは中堅の年齢ですが、自分自身をまだまだ発展途上の選手だと感じています。選手として未熟な部分があり、そこを克服しながら結果を出し続けないといけない。そこのしんどさはありますが、しんどいのは当たり前なのでやるだけです。

　オープン戦の戦い方を見ていると、今シーズンは勝ったまま終盤に行くゲームが増えていくのかなと思っています。そう考えると、リリーフ陣の役割がとても重要になってくると感じています。

最近のお気に入りはあの人気アニメと…

　最近のリラックス方法をご紹介します。（動画配信サービス）ネットフリックスでアニメやドラマを見ることもあります。今は「チ。―地球の運動について―」を見ている途中です。

　YouTubeでは、Bappa Shotaさんのチャンネルをよく見ています。バックパッカーとして世界を飛び回ってリアルを伝えてくれて、とても引き込まれる動画が多いです。

自分へのご褒美は行きつけのすし店

　ちょっとしたご褒美として、おすしを食べに行くこともあります。ネタはなんでも好きです。北海道に移住して２年目。行きつけのお店も増えてきて、自分も北海道民になってきているなと実感してます。

想像を絶するプレッシャー

　いよいよ２８日にシーズンが開幕します。大事な場面でのマウンドは、言葉では言い表わせないプレッシャーがあります。僕にとって本当にタフな半年になりますし、大げさな表現になりますが、人生の全てを懸ける覚悟を持たないと、あのマウンドには上がれません。プレッシャーに押しつぶされそうな時もあります。

重圧の先にある至福の瞬間

　でも、そこから逃げたら、絶対に後悔することは理解しています。ありがたいことにファイターズに来てから、それを乗り越えて見る景色は本当に素晴らしいと感じていますし、まだまだ果てしなく長い道のりがあるなとも思っています。一つ一つ立ち向かっていき、もっと上の景色を見られるように今年も１年間、マウンドへ挑戦していきます。