東海大札幌高の10年ぶり勝利の陰に〝ゴッドフィンガー〟の存在
昨春からトレーナーを務めている野球部OBの住友慧一トレーナー(手前右)=撮影・小田岳史
プロ選手も手掛ける神指札幌の代表
東海大札幌高10年ぶり勝利の裏には、選手の体を最高の状態に保つ〝ゴッドフィンガー〟の存在がある。昨春から同校のトレーナーを務めている同校野球部OBの住友慧一さん(31)だ。ボディーケアスタジオ「KAMIYUBI SAPPORO 神指札幌」の代表で、昨年2月に全国6番目となる店舗を札幌にオープンした。住友さんは同じくOBで日本ハムの伏見寅威捕手(34)や今川優馬外野手(28)らプロのアスリートのメンテナンスも行っているという。
選手たちのケアをする住友トレーナー(左)
母校が勝利して最高の誕生日に
住友さんは1回戦が行われた23日が31歳の誕生日だった。甲子園で母校の試合を見たのは始めて。「アルプスで指導者と一緒に見れただけで僕、満足です」と話していたが、勝利後は選手たちからコンビニで購入した菓子などをプレゼントされ、「なんもいらないから、勝ってってずっと言ってて。無事に勝ってくれて、いい誕生日になりました」と感無量。後輩たちの勝利こそが、最高のバースデープレゼントとなった。
恩師である大脇前監督に誘われて 「すごいやりがいがある立場」
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現役時代は一塁手や外野手として野球に打ち込んだが、残念ながらベンチ入りすることはできなかった。選手としては区切りをつけ、札幌の専門学校で4年間勉強し、札幌市内の整形外科で理学療法士として務めていたが、昨年2月に独立。恩師の大脇英徳前監督(49)に開業の報告をすると、「一回、室内練習場においで」と誘われた。その後、3月の奄美合宿終盤にはトレーナーに就任し、選手たちに同行した。
選手たちに寄り添ってケアする住友トレーナー(左)
大阪入り後はハードスケジュールが続いている。宿舎では選手と一緒に朝5時半に起床し、早朝の散歩から一緒に行動。練習後の夕食を食べ終わると、すぐに選手たちが続々と列をなし、治療が終わるのは夜10時半にも及ぶことがあるという。23日の1回戦後の夜は13人。今後も勝ち進んでいけば、住友さんの重要度はさらに増していく。
「でも、昨日(治療を)やった選手たちがグラウンドにいる姿に感動しました。良い活躍を見せてくれて(自分も)報われる。すごいやりがいがある立場に入らせてもらった。感謝の気持ちです」。選手が最後まで力を出し切ることができるように、住友さんの〝指〟にも力が入る。
遠藤監督(左)と会話を交わす住友トレーナー