【センバツ】東海大札幌高8強入りならず 2試合で合計9失策と守備に課題残す
試合後、ベンチ前で整列する東海大札幌高ナイン=撮影・小田岳史
■選抜高校野球大会(3月25日、阪神甲子園球場)
▽2回戦 東海大札幌高2-8浦和実業
10年ぶりの8強入りを目指した東海大札幌高は、昨秋の関東大会4強の浦和実業に2-8で完敗した。1回戦に続いて勝負所で守備に乱れが生じ、4失策で8失点。攻撃では、1点を追う五回から登板した相手のエース左腕を、最後まで打ち崩すことができず、課題の残る2試合となった。
【道スポ読み放題! お得な年払いプラン】
「自分たちの弱さが出てしまった」
安打数はともに10で同じだったが、最後まで内野を中心とした負の連鎖が止まらなかった。東海大札幌高は1回戦の5失策に続き、この日も4失策。それに対して浦和実業は堅い守備を披露して無失策。遠藤愛義監督(40)は「前の試合もそうですけど、自分たちの弱さが出てしまった結果、負けにつながった。守備のほころびがこういった舞台では大きなものになり、相手に流れが一気に行ってしまう。そういった怖さを感じられたと思うので、キャッチボールからしっかりと出直したい」。春夏連続出場を目指すの中で、大きな課題が残った。
これが〝甲子園の魔物〟なのか。0-0の二回、2死一、三塁から右前適時打で先制された。この打球を上田就也右翼手(3年)が本塁へ悪送球。追加点こそ入らなかったが、嫌な雰囲気がダイヤモンドに漂った。
三回2死一、二塁、東海大札幌高・太田勝馬が落球
その裏に同点に追いついたが、続く三回にも1点を奪われ、なおも2死一、二塁で太田勝馬一塁手(3年)が平凡な飛球を落球して失点。流れは浦和実業に傾いた。
八回の悪夢で負の連鎖が5失点に エース矢吹に継投も…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
四回以降は守備に安定感を取り戻したかのように見えたが、八回に再び悪夢が起きた。四回から七回まで好投を続けていた2番手の高橋英汰投手(3年)が2本の三塁打などで失点して2-6となり降板。さらに3番手で登板した矢吹太寛投手(3年)に代わった直後、1死一塁から三塁前へのセーフティーバントを山田優斗三塁手が一塁へ悪送球。1死一、三塁からは初球にスクイズを仕掛けられ、終盤に大量5失点を喫し、勝利は遠ざかっていった。
二回から2番手で登板した東海大札幌高・高橋
変速左腕が先発せず対応が遅れる
23日の1回戦では失策を上回る打撃で勝利をものにしたが、この日の打線は五回からマウンドに上がった相手の変速エース左腕に凡打の山を築き、最後まで打ち崩すことができなかった。試合前、高めのボールを狙っていくと攻略法を話していた遠藤監督だったが、「やはり非常に良い投手というのを感じさせられた。前半は違う投手が来て対応が遅れてしまった。慣れるまでに時間がかかる投手。相手が先手だった」。互いにエースをベンチスタートさせる采配で臨んだが、相手が一つ上手だった。
九回1死二塁、遊ゴロに倒れる東海大札幌高の山口主将(中央)=撮影・中島聡一朗
2試合できたのは財産 夏の糧へ
内野を中心に2試合で9失策。唯一無失策だった主将の山口聖夏遊撃手(3年)は、悔しさをしまい込み、前を向いた。「究極の場面をイメージして、練習するしかない。甲子園で2試合できたのが自分たちにとって財産になる。またここに帰ってきたいという思いを糧にして、全員が同じ方向を向いて、またイチから出直したい」。日本一という最大目標は、まだ終わったわけではない。北のタテジマ軍団が、悔しさを糧に這い上がってくる。
応援席へあいさつ後、ベンチに戻る東海大札幌高ナイン=撮影・村本典之