２０２５年のシーズン開幕がいよいよ２日後に迫ってきた。初めて開幕投手を務める金村は今、どんな心境だろうか。間近で練習をすることが多い北山は「あいつ意外と、あんな感じで結構、神経質なんですよ。見ていても結構、緊張しているんじゃないかと思います。不安なんだろうなっていう挙動、言動をよくしている。もちろん、それは当然だと思います」と後輩の胸の内を推し量っていた。

　北山は２２年にルーキーで大役を経験している。本番前に金村の緊張をほぐすようなサポートをするのか聞いてみると、「いや、全然そんなんしないです。もう、そんな甘くない。自分でやれよって感じですね」と突き放した。冷たいようだが、信頼の裏返しでもある。「僕が（開幕投手を）やった時はまだ怖いもの知らずだったので、そこまでの重圧とかも感じきる前に登板した。だから、（大卒３年目で臨む）彼の大変さを全部は理解しきれないです。でも、そういう役割だと思う。彼は安定感のあるピッチャーなので、全然、普通にやればいいと思うので。問題ないと思います」と背中を押した。

　北山自身も、開幕ローテーション入りが濃厚だ。「もう僕も開幕に向けてやっていきたいと思っているので、あんまり人のことを言っている余裕はない。しっかり自分のことに集中してやれたら、と思います」。なれ合うわけではなく信頼し合い、それぞれが役割を全うする。先輩右腕の姿勢は、強いチームのあるべき姿を示しているようだった。