最大の恩返しは、意志を継いで次のフェーズに向かうこと《河合CRCの竜の眼》
リーグ戦連勝はポジティブ要素
浮き沈みの激しい2週間だった。札幌は第5節・秋田戦で今季初勝利を挙げ、続く愛媛戦にも勝利した。決して満足いく内容ではなくても、勝ち点6を積み上げたことは大きなポジティブ要素といえる。
リーグ戦に連勝して迎えた26日のルヴァン杯では一転して、J3の福島に苦杯をなめた。一発勝負のトーナメント戦。カテゴリーが下の相手に対しては受け身になりがちで、往々にしてジャイアントキリングが起きるものだ。
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相手のホームというディスアドバンテージがある中で、札幌も例に漏れず敗れ去った。経験の乏しい選手が多く連係面の難しさはあったが、3ー6のスコア以上にゲームの中身は苦しかった。
原因はズバリ、運動不足にあり
リーグ戦での白星という好材料を得た今だからこそ、解決すべき課題に目を向けたい。勝敗に関わらず内容がパッとしない根本的な要因は、運動量不足にあると感じている。
走る、戦うという基本の姿勢がチーム全体に浸透していない。サッカーはボールを回して点を稼げるスポーツではないし、パス本数の多いクラブが勝つわけでもない。原点に立ち返り、球際で泥臭く戦うプレーを徹底してほしい。
フォーメーション変更で高まった安定感 その理由は
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開幕4連敗を喫した主因である守備面は、フォーメーション変更により改善が見られた。安定感が高まった理由はシンプルで、最終ラインが4人になったことで選手個人の埋めるべきスペースが狭まり、CBの背後を突かれる致命的なパスが激減した。
4バック組めないならリスク管理を
3バックで挑んだルヴァン杯は、リーグ戦の連敗時と同じ展開に陥った。メンバー構成によって4バックを組めないならば、徹底したリスク管理が必要になる。カウンターを防ぐためにも、フィニッシュまで持っていくプレーを心掛けたい。
三上GMへの依存度は確かに高かった
ここからは話題を大きく変える。先日、クラブは三上GMの退任を発表した。石水社長の言葉にあった通り、GMへの依存度は確かに高かった。長くクラブに在籍することで生じるメリットの裏には、どうしてもデメリットが存在する。札幌が新しいチャレンジをする上で苦渋の決断だった。
私自身も三上さんからのオファーを受けたことで、札幌の一員になることができた。昇格、降格…。共有してきた数々の記憶を、今でも鮮明に覚えている。歴史を共に築いた自負があるから、なおさら寂しさは募る。感謝の思いを抱きつつ、意志を継いで次のフェーズへ向かうことが、最大の恩返しになるだろう。
意見出し合いクラブ強化に尽力したい
GM不在の影響を感じさせないためにも、一人一人の自覚と責任がますます問われる。活発に意見を出し合い、クラブの強化に尽力したい。