有薗の口ぶりから、絶大な信頼が伝わってきた。２５日の２軍ヤクルト戦で今季１号を放った将来の主砲候補が、取材で真っ先に名前を挙げたのは、今季からチームに加わった横尾２軍打撃コーチだった。

　「考え方、配球とかを横尾（２軍打撃）コーチが教えてくれて、それが（本塁打に）つながっています。横尾コーチはいつもプラスの、ポジティブな言葉をかけてくれるので、ありがたいです」

　ホームランバッターを目指す有薗にとって、現役時代から本塁打にこだわり、豊富な打撃の知識を持つ横尾コーチの存在は貴重だ。

　「ホームランバッターはどういうアプローチが大事か、教えてもらっています。（本塁打を）狙わないといけないと言われるので、狙う気持ちは常に持っているんですけど、その中で４打席に１回打てば良いとも言われて、ほかの３打席は全部三振でもいいと言ってもらえるので、思い切っていけています。（本塁打を）打てない低めの球はストライクでも気にせずに、浮いてくるやつだけ待てと。しっかり甘い球を待て、割り切れと言われています。その方が、気持ちが楽ですね」と、にっこり笑った。

　一方の横尾コーチも、「有薗はすごいですよ。真面目ですし、練習もすごく一生懸命やる。僕なんかとは比べものにならないバッターです」と、未完の大器のポテンシャルを絶賛していた。「横尾さんに言われていることを、ブレずに今年１年やり続けていきたい」という有薗が〝師匠〟の下でどんな成長を遂げるのか楽しみだ。