水野達稀 今井攻略のカギは「揺さぶり」 打つのは大事な場面だけ? イジられてさらに発奮
好投手の今井攻略に燃える水野=撮影・松本奈央
■全体練習(3月27日、ベルーナドーム)
2年連続3度目の開幕スタメンへ準備万端!
日本ハムの水野達稀内野手(24)が27日、ベルーナドームで調整し、西武との開幕戦に備えた。
2年連続3度目の開幕スタメンが濃厚。苦手とする今井達也投手(26)を攻略するために「揺さぶり」も視野に入れて打席に入る。チャンスに強い意外性の男は、しぶとくあがいて、チームの勝利を引き寄せる。
指揮官の狙いを体現 「嫌がることをやらないと」
狙いは定まった。開幕戦を翌日に控え、水野は自らの役割をイメージしていた。
新庄監督がポイントに挙げた足を使った攻撃に同調し「普通に打てるピッチャーじゃない。オープン戦の数字とか見ても、打たれていない。今井さんが嫌がることをやらないといけない」と力を込めた。

分が悪いのは百も承知
昨年、今井との対戦成績は9打数無安打。正攻法では分が悪いと認めている。
「(脱力したフォームで)ひょいって投げるじゃないですか。その割にエグい球が来る。真っすぐがすごいのに意外と投げて来ないところも嫌らしい。変化球でポンポンとストライクを取って、外の真っすぐを見せて最後に落としてくる」と想定。苦手意識を隠す必要がないほどの難敵で「めちゃくちゃ嫌ですね、本当に…」と表情をゆがめた。
チームの勝利へ粉骨砕身
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ただ、万策尽きたわけではない。自己犠牲はいとわず、ペース、リズムを乱すような仕事をこなす腹づもりだ。
「粘って四球を選べたら理想ですけど、それも難しい。バントの構えだったり、実際にやるか分からないですけど、ちょっとでも嫌と思われるようなしぐさ、スイングをしていかないといけない」
新庄監督から愛あるイジりも
昨季の通算打率は.220だったが、7本塁打の37打点をマークして勝負強さが際立った。
今年3日8日の中日とのオープン戦(エスコン)で満塁弾を放った際には、新庄監督から「サマージャンボ宝くじ、大当たり。ランナーがいない時は全然、打たない。逆転の場面、ランナーがたまった時は打ちよる」とイジられた。
3月8日の中日戦で満塁弾を放った水野(手前)と新庄監督がハイタッチ
誰もが認める勝負強さ
大事な場面だけ打つ―というキャラが、チーム内で定着している。
「みんなにイジられます。監督だけではなくて。チームメートにもコーチにも。八木さん(打撃コーチ)にも『普段、打たんのやけえ、チャンスは頑張れ』と言われます」と苦笑い。今は褒め言葉と受け止め「ここぞで頼られるバッターになりたい」と張り切っている。
さあ、今季も頼むぞ!
昨年の開幕戦は三塁打を含む2安打を放った。モチベーションは高い。
「理想は143分の1と考えたいですけど、まだ僕はその考えになれない。そこで全てが決まるわけではないですけど、開幕戦に向けてやってきた。特別な思いはあります」。水野はレギュラーの自覚を携え、4年目のシーズンの一歩を刻む。
