ファイターズ
《ハム番24時》3月28日

試合開始の3時間ほど前、一塁側ファウルゾーンで体を動かし始めた宮西が、そばにいた報道陣を見渡し「開幕戦だから、みんなスーツなんや。毎日、スーツでええやん」と冗談交じりに指摘した。開幕戦の場合、取材する側はフォーマルな装いが慣例。オープン戦とは違い、ピリッとした空気が流れる。
当然、選手の方が緊張感はあるはず。だが、18年目のベテランは「そういうありきたりなことを聞くのやめません。だから言っているでしょ、毎年、緊張していますって」と、あきれ顔で返答した。
「緊張」というワードと表情や行動が合致しない。失礼ながら「言い方がうそっぽい」とツッコんだら「きのうの夜もトークサバイバー(Netflixで配信されているドラマバラエティー)を12時ぐらいまで見ていた」と白状。紛れもなく、リラックスムードだった。
ただ、プロ野球選手にとっての開幕戦は節目。家族と何か言葉を交わしたのかーと尋ねたら「激励? そんなんあるわけないやん。きのう(電話したら)嫁はちょっと今、忙しいからと子どもにスマホを渡して、しゃべっていたら、途中で勝手に切られた。それが当たり前やし、(自宅に)いないのも当たり前やから」と照れくさそうに明かした。
これが宮西家の距離感なのだろう。本人も家族も特殊な職業を理解し、自然体で振る舞う。きっとそれが心地よいのだと察した。