夏季スポーツ
ママさんハードラー寺田選手育成と「二刀流」!HEROsAWARD受賞
東京五輪の陸上女子100メートル障害に出場した寺田明日香(31、ジャパンクリエイト、恵庭北高出)が20日、都内で行われた「HEROs AWARD 2021」に出席した。社会貢献活動に尽力したアスリートを表彰する同イベント。寺田は女性部門で受賞した。現役ハードラー、そして次世代の選手育成も担う“二刀流アスリート”はさらなる挑戦を続けていくことを改めて表明した。
「A―START」プロジェクトをスタート
止まらずに、走り続ける。寺田は現役トップアスリートでありながら、学生など若い世代の育成にも目を向けている。
2020年、日本中がコロナ禍に見舞われ、東京五輪をはじめ、各方面の大会が延期や中止に追い込まれた。寺田にとって心配だったのは、大会への出場機会を奪われた学生たちのモチベーション低下だった。
そこで「A―START」プロジェクトをスタートさせた。オンラインでの講義を行い、個別で悩み相談にも乗った。17人を選抜し、スプリントキャンプも開催。普段、寺田が行っている練習を共に行うことで、学生のやる気を引き出すことに尽力した。
しっかりと結果にもつながり、参加した学生のほとんどが自己ベストを更新することに成功した。「自分の結果以上にうれしい成果をもたらせてくれた」と白い歯を見せた。
彼らの躍動が自身のパワーの源にもなった。東京五輪では準決勝の舞台まで上り詰めた。「オリンピックが延期になって、緊張感のある1年になった。競技者として、学生たちに触れ合えたこと、新しい情報を共有できたことっていうのは競技生活にも影響を及ぼした」。現役選手としても大きな刺激を受けた。
22年は世界陸上を控えている。「来年以降もできたらいい」。競技と育成の二刀流―。幾多の経験を積んだ「ママさんハードラー」なら、超えられるはずだ。