田宮裕涼 リードと肩で金村の完封をアシスト 短期間の準備でも意思疎通はバッチリ
スタメンマスクをかぶり、快勝発進を演出した田宮=撮影・松本奈央
■パ・リーグ1回戦 日本ハム2-0西武(3月28日、ベルーナドーム)
最高の滑り出しを演出
日本ハムの田宮裕涼捕手(24)が開幕戦でスタメンマスクをかぶり、会心の勝利を演出した。
献身的なリードや強肩を生かした盗塁阻止で金村尚真投手(24)の初完封勝ちをアシスト。打撃でも2安打を放ち、絶好のスタートを切った。
オープニングゲームで念願の勝利
ミレニアム世代の同学年バッテリーで、2025年最初の白星をもぎ取った。
金村の完投、完封は田宮にとっても念願の一つで「今年はなんとか、金村と完封したいと思っていたんですけど、まさか開幕戦でできると思っていなかった。良かったです」と喜びをかみしめた。
勝利のハイタッチをする田宮(中央左)と金村(同右)
決して盤石ではなかったスタメンマスク
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2024年、金村が先発した試合は全てスタメンマスクをかぶり、〝専属〟として結果を残していたが、25年の開幕戦で再び組むか、不透明だった。
昨年10月下旬に痛みのあった右肘のクリーニング手術を行い、オフは治療とリハビリ優先の生活を送った。打撃への影響は少なかったが、送球に不安が残り、捕手として実戦の守りに就いたのは2月下旬だった。
時間を埋めた同学年バッテリーの絆
西武打線の対策を練ったのは、最後の調整登板を終えてからで「話し合いを始めたのは本当に最近。僕も開幕に行けるかどうか、分からない感じだったので、最後に組んで(開幕戦のスタメンが)決まったぐらいからですかね」と明かした。
時間はそれほどなかったが、気心が知れた相棒との意思疎通はスムーズだった。投手戦は想定内で「ロースコアというのは絶対だと思っていたので、いかに打たれても粘り強く点を与えないか」と意識。走者を出しても冷静に対処し、最後まで粘りきった。
金村(右)に声をかける田宮
好相性の今井から2安打
得点には直結しなかったが、バットでも見せた。難敵の今井から2安打を放ってチャンスメーク。昨年も5打数2安打と相性が良く「得意な方ではあったので、打てて良かったです。真っすぐが速いので、そこで空振りをしないように、ということだけ考えて。あとは自分の打撃の感覚に任せて打ちました」と充実感をにじませた。
五回無死、右前打を放つ田宮
目指すは優勝のみ 「そこに向かって一戦一戦」
捕手は先発投手によって伏見、郡司らと併用される見通しだ。
チーム内の競争も続いていくが、田宮は「優勝が目標なので、そこに向かって一戦一戦、全力でやっていくだけだと思っています」とキッパリ。大ブレークした昨年と同様、自らの仕事に集中し、ペナントレースを駆け抜ける。