《大海の部屋》vol.3 新たな大航海へ 今季初登板を前にエース右腕がたっぷり語る
ファンと共に新たな大航海へ。4月1日の本拠地開幕戦に登板予定の伊藤=撮影・松本奈央
エースはいかにしてつくられたのか!
日本ハム・伊藤大海投手(27)の連載手記『大海の部屋』は、今季初登板となる4月1日の本拠地開幕戦(対ソフトバンク)を前に、今の心境をつづります。道南の漁師町・鹿部で生まれ育ったエースは、入団時から大きなけがなく、先発ローテーションを守ってきた。強い体をつくった幼少期からの習慣とは―。さらに、自宅でフルコース料理を作った〝大海キッチン〟の写真も公開してくれた。
(連載手記『大海の部屋』は、北海道新聞の紙面でも要約版がお読みいただけます。今回は4月1日付の新聞に掲載します)
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欲しいのはチームの勝利 あとから付いてくるタイトル
今年の個人的な目標を問われた際、「去年、表彰がなかったタイトルが欲しい」と答えてきました。タイトルのためだけにやっている、そこだけ見ているやつと思われたくない。チームが勝って、ローテーションを守って、カード頭で投げていたら、そういう賞は勝手に付いてくると思ったからです。
チームのためにどういうピッチングができるかを考えれば、あえて口にする必要はない。それ(沢村賞)が本当の目標じゃないというか、付いてくればうれしいくらいの感覚です。

それぞれのポジションで激しい競争
チームの戦いぶりを見ていると、オープン戦からシーズンに入っている感じでした。いい意味で勝ち癖が付いているという感覚は、みんな持っているんじゃないかな。
ボス(新庄監督)も言ってましたけど、野手だけでなく、投手もチーム内の競争が激しい。僕も2回くらいミスしたら、すぐローテーションを外されそうじゃないですか。誰が出てきてもおかしくないチーム状況で、アツアツな感じがいいですよね。
新庄監督から寄せられる信頼
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成績も、ただ規定投球回に到達して10勝して、では物足りなくなる。もう1ランク、2ランク上くらいのピッチングをしないといけないと思わせてくれる。
新庄監督には、自分がやりたいようにやらせてもらっています。この前「後ろ髪をちょっとまとめてきて」とは言われましたけど(笑)。プレーのことは心配してないよって感じだったので、なんかうれしかったです。
漁師町出身の選手はけがに強い!?
今年で5年目。プロ入りから大きなけがなくプレーできているのは、丈夫な体に育ててくれた両親のおかげです。
先日、(田中)正義さんと、こんな話になりました。エビデンス(根拠)はないそうですが、漁師町出身の選手はけがが少ない。例えば(元ヤンキースでパナマ出身の)リベラ。小さい頃から、魚を食べ慣れているのが大事らしいです。

幼少期には一日1回は魚料理
僕は父が漁師ということもあり、ほかの子どもたちより、魚を食べる環境ではありました。一日1回は魚介を口にしていた。煮付け、焼き魚、タコはほぼ毎日、食べていました。魚は高タンパクで、カルシウムも取れる。骨はよほど太いものでなければ、小骨くらいなら食べます。骨の周りには、フィッシュオイルといういい成分があるんです。家族で骨まで食べるのは僕と父くらいですが。
愛妻も喜ぶ料理の腕前
今も食は大切にしています。休前日か休日、釣りから帰ってきた時は、趣味の一環で料理をします。栄養にこだわったメニューは作れないので、ただおいしいだけ。妻も喜んでくれます。
器用な方なので、料理でてこずったことはない。レストランでこういうの作ってみたいなと思って、なんとなく作ったら、なんとなくできるみたいな。韓国のドラマを見て、インスピレーションを得る時もあります。僕が作る時は、特別な日にしたい。男メシで使わなそうなハーブやローズマリーも使う派です。
伊藤が手作りした料理=本人提供
とにかく明るい愛妻に大感謝
普段は妻が栄養バランスに配慮した献立を考えてくれます。結婚して、食事はやっぱり変わりましたし、去年は体の不具合もなかった。野球に集中しきれるというか、家で余計なことを考えなくて良いのでめちゃくちゃ助かっています。
伊藤が手作りした料理=本人提供
〝歩くパワースポット〟と言われるような明るい人。もし打たれて帰っても、次、頑張れば良いかという雰囲気にしてくれる。あまり失敗を引きずらなくなったというか、メンタリティーの部分でもかなり支えてもらっています。
伊藤が手作りした料理=本人提供
さあエースも開幕! 「良い報告をしたい」
いつも応援してくれる家族、ファンの皆さんには感謝しています。だからこそ、良い報告をしたい。今シーズンも愉しんでプレーしているところをお見せしたいです。

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