DeNA移籍の大田がFファンに別れ「感謝伝えたい」
移籍1年目で才能開花 5年間の思い出を胸に新天地でも全力プレーを誓う
5年間、応援ありがとうございました―。日本ハムからDeNAに移籍した大田泰示外野手(31)が20日、道新スポーツの取材に応じ、ファイターズファンへ感謝の気持ちを語った。2016年オフに巨人からトレード加入し、北の大地で才能が開花。主力選手としてファンに愛された男は、新天地でも全力プレーを貫くことを誓った。(構成・中田愛沙美)
「変わらないプレースタイル、信念を見せたい」
日本ハムで過ごした時間はかけがえのない宝物だ。この日、DeNAで入団会見を行った大田は、北海道でプレーした5年間を振り返りながら、ゆっくりと語り始めた。
「ファイターズのファンの温かさ、熱心さ、熱意をたくさん感じながらプレーさせてもらった5年間。初めて規定打席を達成できたり、キャリアハイを記録したり、選手としての価値を上げてもらい、選手としてさまざまな経験をさせてもらいました」
忘れられない光景がある。移籍1年目の2017年5月3日のロッテ戦。サヨナラ安打を放ち、初めて本拠地・札幌ドームのお立ち台にあがった。
「球場をまわってみんなとハイタッチをする時に、ファンの方が『ファイターズに来てくれて、ありがとう』と言ってくれた。ファンの人たちと一体になって喜びを分かち合い、選手としてグラウンドで気持ちよくプレーさせてもらいました」
レギュラーをつかみ、主力選手として道内各地で行われた球団のイベントにも参加。チームが北海道に根付き、愛されていることを知った。
「どこへ行ってもすごく温かく迎えてくれるし、応援してくれているなと実感した。選手自身も自覚を持ってやらないといけないな、ファンあってのプロ野球なんだと感じさせてくれました。ぼくはチームを抜けますけど、野球界を担う後輩たちへ思いを託したいと思います」
来季は札幌ドームでDeNAとのオープン戦、交流戦が予定されている。がむしゃらに取り組む変わらぬ姿を見てほしい。
「全国のファイターズファンのみなさんにはたくさん応援してもらって、感謝を伝えたい。敵にはなりますけど、1人の野球選手として見ていただければうれしいです。ファイターズの時と変わらないプレースタイル、信念をしっかりお見せできれば良いと思います」
プロ入り後から掲げる目標もある。少しでも長く現役を続けることだ。
「1年でも長くユニホームを着るためには、活躍しないといけない。戦力として考えてもらえるように、自分自身もっともっとレベルアップしたい。チームにとってかけがえのない選手になりたいです」
感謝の気持ちを胸に、大田は新天地へ旅立った。
北の大地で数々のドラマ
日本ハムでは外野のレギュラーとして活躍。思い出は数え切れないほどある。
真っ先に挙げたのは、決勝タイムリーを放った2018年10月14日、ソフトバンクとのクライマックスシリーズ第2戦。「ああいう試合で結果を残すのが難しいところ。そういった中でしっかり仕事ができたので、記憶に残っています」と振り返る。
その次に挙げたのは、日本ハムで最後の試合となった今季最終戦(10月30日、ロッテ戦)で九回に放った2点適時二塁打。本塁打でシーズン最終戦を締めくくった昨年11月9日のロッテ戦にも触れ「いいところで打てたのは印象に残っています」としみじみと語った。