山本拓実 雪辱果たす2回0封 立て直しの要因は自己との向き合いと夫人から勧められた…
六回から2番手で登板し、2回を無失点に抑えた山本拓=撮影・松本奈央
■パ・リーグ1回戦 ソフトバンク5-1日本ハム(4月1日、エスコンフィールド北海道)
2番手登板で2回をノーヒット投球
日本ハムの山本拓実投手(25)が2番手登板し、2回を無安打に抑える好リリーフを披露。失点を重ねた前回登板の借りを返してみせた。
エスコンの雰囲気を変えた小さな巨人
エース・伊藤を立ててホーム開幕戦に臨んだものの、まさかの5失点KO。重い空気が漂ったエスコンフィールド北海道の雰囲気を変えたのが、六回からマウンドに上がった山本拓だった。
先頭から2者連続で三振を奪うなど、この回を3人で切って取ると、続く七回も1死から四球で走者こそ出したものの後続を断ち切り、ソフトバンク打線をノーヒットに封じ込めた。「こういう展開だったので、2イニング(投げる)かなと思って(マウンドに)行って。なんとか2イニングを消化することができて良かったと思います」と安堵の表情を浮かべた。
六回、マウンドへ向かう山本拓
出はなをくじかれた今季初登板
今季初登板となった先月30日の西武戦では、5点のリードをもらっていたものの、3安打1四球で3失点(自責点2)。1イニングを投げきれない、悔しいシーズンインとなった。
「シーズン開幕1発目で、オープン戦と勝手が違って、力が入りすぎてしまうところがあった」
新庄監督も高評価「去年の山本くんが見られた」
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中1日で迎えた今季2度目の登板。この瞬間に向けて、自身と正面から向き合い、立て直しを図った。
「去年も開幕から(間もなく)連続で失点して抹消されたことがあったので。去年どうやって盛り返したかを思い出しながら、日、月、火とやってきた。こういうリズムで投げるんだな、というのをつかめた良い登板になった」。過去の教訓を生かして見事に立ち直った背番号67に、新庄監督も「去年の山本くんが見られた」と合格点を与えていた。

占いをプラスに捉えて好投
そしてメンタル面の復調にひと役買ったのが、夫人の存在だ。悔しさを味わって遠征から帰ってきた夫に勧めたのが、ゲッターズ飯田の占いだったという。
「今朝、見たら、僕の星が『きょうは良い意味で目立ちそうな日』だと書いてあって。それを信じて球場に来たら、良い意味で目立てたので良かった」。占いのパワー、すなわち夫人のパワーがナイスピッチングを生み出す一つの要因となった。
マウンドで会話をする山本拓(左)と伏見
敗戦の中でつかんだ手応え
「きょう試合に投げて、初めて今年が始まったという気持ち。一度、良いものを出せれば、良いサイクルがどんどんできてくると思う。今後も最初の登板みたいにやられてしまう日があるかもしれないけど、次の登板でしっかり投げることが大切だと思うので、リリーフとして切り替える大切さを、自分の引き出しとして持っていきたい」
悔しい敗戦の中で手にした手応えを持って、次の登板機会へと備えていく。