高校野球
2021/12/22 14:09

行くぞ甲子園! 栗山高女子硬式野球チーム 金監督就任会見

笑顔の金新監督(左から2人目)に期待を寄せる柳道野球協議会理事長(左)、佐々木栗山町長(右から2人目)、松原設立準備委員会会長

 来春、栗山高に道内公立校として初めて発足する女子硬式野球チームの監督に、女子野球ワールドカップで日本の5連覇に貢献した金由起子さん(44)が就任。21日、栗山町役場で会見を行った。同町会計年度任用職員として採用され、教育委員会に務める。すでにチームに関する複数の問い合わせが届いており、年明けから女子野球日本一を目指しての活動が本格化する。

 世界一を5度経験した金監督が、初めて高校の指揮を執る。
 「1からチームをつくることに魅力を感じた。日本代表として長くプレーした経験を生かしたチームづくりをしていければ」
 今年8月には全国大会の決勝が甲子園を舞台にして行われ、話題を呼んだ高校女子野球。「いずれは甲子園につれていってあげたい」と、大きな目標を掲げた。
 金監督が大切にしているのは、勝利至上主義ではなく、文武両道だ。「公立校初めての野球部なので、勉強も頑張ってほしい。初心者でも大歓迎。野球を愛してくれる生徒が集まってくれて、卒業しても続けてくれるような生徒を育てたい」と、指導方針を明かした。
 まだまだ現役だ。今年8月には沖縄のクラブチームに所属して全国大会に出場。「1番・一塁」として出場し、安打を放つなど衰えは感じさせない。「足は遅くなってますけどね」と苦笑いするが、自らバットを握り、指導に携わっていく。
 グラウンドは男子と共用だが、町内にある2カ所の球場利用や、ピッチングマシンの導入も検討中だ。来春の発足時点では9人揃わない可能性はあるが、札新陽や駒大苫小牧の関係者から「選手が少なかったら一緒に練習しよう」という声がけもあり、少人数でも活動していける。
 来年1月には、札幌から栗山町に移住し、春以降のスカウティング活動へと準備を進める。「将来、日本代表に入るような選手を育てるのが夢」。次世代を担う選手育成へ、新監督の挑戦が始まる。

■プロフィール

 金 由起子 (こん・ゆきこ)1977年9月20日、天塩町生まれ。天塩小4年で競技を始める。天塩高校では、野球部と女子バレーボール部に所属。2001年から女子軟式野球チーム「札幌シェールズ」でプレー。05年に創設された、道内初の女子硬式野球チーム「札幌ホーネッツ・レディース」でプレー。06年女子ワールドカップ(W杯)日本代表に選出。10年にはW杯日本代表主将を務め、16年大会まで5連覇に貢献。今春から札新陽でコーチを務めていた。

道女子硬式野球4チーム活動中

 ◆道内の女子硬式野球の現状 2005年にクラブチームとして、ホーネッツ・レディースが発足。高校では17年に札新陽が初めて部活動として発足し、昨春には駒大苫小牧が2校目として創部された。20年には札国際大でも創部され、現在4チームが活動している。現在、この4チームによって、全日本女子野球連盟道支部主催のリーグ戦が開催されている。

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