サッカー全般
2025/04/09 12:00

札幌光星サッカー部初のOB監督に〝黄金世代〟武藤渉さん「自主的に考えていけるようなチームを」 

4月にOBでは初の監督に就任した武藤監督(中央)=撮影・西川薫

3年ぶりにプリンスリーグ北海道昇格

 札幌光星サッカー部初のOB指揮官として、4月1日に武藤渉さん(36)が新監督に就任した。今季は3年ぶりに高円宮杯Uー18プリンスリーグ北海道に昇格。昨年11月には創立90周年記念事業として人工芝グラウンドが完成し、新入生も大量入部して初の100人超えと勢いに乗っている。道内3冠を目指し、12日の開幕戦では昨冬の全国高校選手権北海道代表の札幌大谷と対戦する。

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 昨夏までの10年間、元浦和の小林宏之前監督(44)の右腕として寮監とコーチを務めてきた。昨年夏休みから小林監督に代わり暫定的にトップチームを指導。今年3月31日付で小林監督が一身上の都合により退職。「ずっと一緒に、小林先生のノウハウを受けながら、いろんなこと任せてもらった」と、4月から正式に監督に就任した。

創立90周年事業として全面人工芝化された校庭

 

高校時代に16歳以下の北海道選抜も

 札幌光星では右ハーフとして2004年、札幌ドームで行われた16歳以下の国際ユースフェスティバルに北海道選抜の一員として出場。Uー16日本代表とも対戦し、メンバーには内田篤人(36)や、権田修一(36)ら後のワールドカップ日本代表に選ばれたそうそうたるメンバーがいた。3年時には主力としてチームを初のプリンスリーグ北海道昇格に導き、卒業後は北海学園大で教員の資格を取得。帯広北などを経て母校へ。寮監とコーチ就任11年目に突入するタイミングで、白羽の矢が立った。

 「サッカー哲学的には、選手たちが自主的に考えていけるようなチームをつくっていきたい」。そのために、メンタルコーチの資格を取得中。「メンタルも技術なので、そういった部分を子供たちにつくり上げていくことが一番。(現役時は)ドリブルが得意だったので、どのポジションでもドリブルでいけるようなチームをつくり上げたい」

新入部員大量入部で108人の大所帯

 4月1日の時点で新入部員37人が加わり、総勢108人。ここからさらに10人程度が増える見込み。念願の人工芝グラウンドも春から本格稼働。野球部と共有する部分はあるが「細かな練習が、ようやくできるのが一番のメリット。今までどうしても土だと足をひねって、ボコボコだったらできないのでSSAP(札幌サッカーアミューズメントパーク)に行くんですけど、ただゲームしてさばくだけで細かいことができなかった。例えばセットプレーなんかは、ここで完結できるよねとか、ビルドアップもちょっとしたことなら半面で十分。ゲームしたいチームが少しSSAPに行って、こっちは細かいトレーニングを徹底的にできる」。より質の高い練習が可能になった。

昭和34年の創部以来、初の100人超えの大所帯となった

 

 冬は徹底的に走り込みを課した。GPSセンサーを付けて週に2、3度、10キロから12キロのランニングを行い、さらにそこからスプリントを50本。時速20キロが出ないと、カウントされない。「この雪で(スピードが)出ないところで、みんなガンガン走った。走り込みだけで1時間半、2時間。トップチームは沖縄では、当たり負けというのが本当になかった。ショートカウンターの早いタイミングで全員がぐっと上がるスピードは、すごく自信が出てきた」と、目に見えて成果が現れた。

プリンスリーグ昇格に導いた選手が複数残る心強い面々

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