【’25ドラフト道産子有望株】①東京ガスの伊東佳希投手 名門で腕磨く150キロ右腕
東京ガスの伊東佳希投手=撮影・十島功
大学時代は広島入りした滝田と2枚看板
今秋のプロ野球ドラフト会議で指名が期待される選手を先取りする「’25ドラフト道産子有望株」。第1回は東京ガスの150キロ右腕・伊東佳希投手(23)。星槎道都大時代は23年ドラフトで広島に入団した滝田一希投手(23)としのぎを削った。3年秋に無安打無得点を記録するなど、滝田と共にプロ注目投手として脚光を浴びた。しかし、4年時に調子を落としたことが響き、プロ志望届は出したものの、吉報が届くことはなかった。その後、社会人野球の名門・東京ガスに入社し、研鑽を積んでいる。主戦投手としても期待される2025年。チームを頂点に導き、プロ入りへの切符をつかみに行く。
星槎道都大時代の伊東(右)と滝田
都市対抗準々決勝で先発「予選とは全く別の雰囲気」
キレのある真っすぐが、キャッチャーミットを何度もたたいた。球春が到来し、社会人野球のシーズンも始まっていく。昨年名門チームの扉をたたいた伊東は、順調に右肩上がりの成長曲線を描いてる。1年目から公式戦登板を果たすなど、経験を積むことができた。都市対抗でも準々決勝の明治安田戦に先発。2回2失点の結果だったが「予選とは全く別の雰囲気で、マウンドに上がっても本当に応援もすごいし、僕は純粋に楽しいなと思ってできた」と笑顔を見せた。
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その一方で、一発勝負の予選はこれまでに味わったことのない緊張感だった。都市対抗二次予選初登板はHondaとの一戦。4-2の八回から2番手で登板し、1点を失った。「すごく緊張しました。2点差で入って1点取られて。もう1点もやれないというヒヤヒヤと、ここで負けたら不利なトーナメントに入っちゃうので、負けられないな」と重圧に打ち勝ち、リードを死守して試合を締めた。
社会人入りして新たな知識「伸びしろあると分かった」
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「すごく野球に集中できる」とレベルの高い環境に身を置いたことは正解だった。東京ガスでは体を動かす上での可動域や、下半身の細かい動きなど、これまでになかった知識を蓄えることができている。大学までは「とりあえず強い球を投げる。バッターを抑える。体を大きくする」と目的がアバウトだった。「本当に細分化して見られなかったので、もったいなかった。入ってすぐにフィジカルチェックをやって、伸びしろがあるんだと分かったのはありがたいです」。
この1年で猛者たちが集まる舞台を知ったからこそ「学生時代にこっちに出てきたい気持ちが分かりました」と話す。「北海道だけでやっていたら、神宮(大会)とか(日本)選手権に行かないと気づけない。本当に声を掛けてもらって良かった」と感謝した
伊東投手の投球フォーム
ソフトバンク3軍戦で5回無失点
その言葉通り、成長は著しい。最速こそ150キロと、大学時代と変わりないが「楽に同じくらいの出力が出せている。アベレージも上がってきている」と常時145キロを計測するようになった。2月のオープン戦では寒い時期にもかかわらず、148キロをマーク。ソフトバンクの3軍とも対戦し、5回無失点と好投した。JABA東京都企業春季大会の明治安田戦(3月22日)、JABA静岡大会のジェイプロジェクト戦(4月2日)に、それぞれ先発7回無失点の好結果を残すなど、上々の滑り出しを見せている。
まずは社会人のタイトル2冠狙う
当然プロ入りも頭にはあるが、まずは都市対抗と日本選手権での優勝を目標に掲げる。「プロはその先にあると思うので、まずは予選を勝ち抜いて、都市対抗で優勝して、(日本)選手権で優勝する」とキッパリ。名門で主戦を務め、日本一まで引き上げることができれば、自ずとプロへの道は見えてくる。
■プロフィール 伊東 佳希(いとう・よしき) 2001年6月22日、富良野市出身。滝川第三小2年時に滝ちび野球クラブで野球を始める。遠軽中では軟式野球部でプレーし、旭川北高では2年秋から背番号1。3年夏の北北海道大会4強に進出した。星槎道都大では3年秋にノーヒットノーランを達成するなど通算13勝を挙げた。173センチ、82キロ。右投右打。球種は直球、スライダー、カットボール、カーブ、フォーク、チェンジアップ。
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