コンサドーレ
走り、戦い、つかんだ1勝。徳島戦を最低ラインに設定しよう《河合CRCの竜の眼》

何度も、何度も叫んでしまった
手に汗握るゲームを制し、心の底から安堵した。5日の徳島戦は後半アディショナルタイムにDF家泉が得点を挙げ、劇的勝利を収めた。ゴールネットが揺れた瞬間、私は座席から立ち上がり何度も、何度も叫んでしまった。今季のホーム初勝利は感動的な一戦だった。
第7節の甲府戦(0-1)で煮え切らない試合をしていただけに、誰もが「このままズルズルいってしまうのでは?」という感覚を持っていたことだろう。そんな嫌な空気を払拭してくれたのは、プレドに響いたサポーターの大声援と拍手だと素直に思う。選手の背中を押してくれたファンの声に、あらためて感謝を申し上げたい。
何度か割り切って前線に放り込むシーンが
勝因の1つはFW陣の働きだ。攻撃時はつなぐ意識を持ちながらも、割り切って前線に放り込むシーンが何度か見られた。これまでボールを求めてサイドや最終ラインにまで顔を出していたFWバカヨコが、ピッチの真ん中に踏みとどまることで攻撃が活性化した。
ターゲット役を担いつつ裏も狙えるバカヨコの存在があれば、バリエーションに富んだ攻撃を展開できる。コンビを組むFW白井の動き出しは抜群で、バカヨコの高さと白井の速さを兼ね備える札幌の攻撃は、常に相手の脅威となり得る。沖縄キャンプで第一選択肢だった2トップの躍動を見て、ようやく役者が揃ったと実感している。
守備面は最終ラインにMF高嶺とDF西野が入ったことで、顔ぶれが変化した。フィードに優れる高嶺は、対角や相手の背後を突く長いパスを供給できる。本職のボランチではないが、左SBでの起用はオプションとして非常に魅力的であり、主戦場になる可能性を十分に秘めている。