【’25ドラフト道産子有望株】②札幌日大高の窪田洋祐投手 驚異のバネ誇る侍ジャパンU-18代表候補
侍ジャパンU-18代表候補の札幌日大高・窪田。最速148キロ右腕&長距離砲の二刀流だ=撮影・西川薫
打者として評価の高い二刀流
今秋のプロ野球ドラフト会議で指名が期待される選手を先取りする「’25ドラフト道産子有望株」。第2回は4月3日から5日に行われた侍ジャパンU-18日本代表候補合宿に道内からただ一人選ばれた札幌日大高の148キロ右腕・窪田洋祐(3年)を紹介する。垂直跳び88センチ、スイングスピード164キロと、たぐいまれな身体能力で打撃への評価も高く、投手として選出された合宿でも柵越えを披露。NPB10球団が興味を示しており、現時点では打者としての評価が高いが、窪田自身は投手でのプロ入りを目指していく構えだ。
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昨夏の甲子園は「4番・中堅」で登板機会がなかった窪田だが、センバツ甲子園を沸かせた球児たちが集まった代表候補合宿では、投げては145キロをマークし、打っては打撃マシンを相手に柵越え。二刀流のベールを脱いだ。投手でプロ入りを目指す理由は「ピッチャーが楽しくて野球をやっていたから」。打者としても能力を発揮するだけに最終的には「評価される方に行きたい」と、まずはプロを第一優先に自らの才能と将来性をより高く買ってくれる球団に行くつもりだ。

身体能力に自信あり「技術はここから巻き返す」
高校生では規格外のバネの持ち主だ。身長は昨秋から1センチ伸びて186。幼い頃からクラスで1、2位を争う。体重は同じく4キロ増の88。今年1月に記録した垂直跳びは驚異の88センチで、プロバスケットボール選手の中に入ってもトップ級の数字だ。両足をそろえての三段跳びは90センチ。バットの金属製と木製の違いはあるが、スイングスピードの164キロもNPBトップクラスに匹敵する。
合宿では濃密な3日間を過ごし、「身体能力では全然負けていないと思ってます。技術は全く及ばないんですけど、それはここから巻き返してやっていければ」。成長カーブはまだまだ右肩上がり。全国の強者に追いつくためにも、まだ時間はある。
成長を促した悔しい経験とは…
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昨秋の全道大会では背番号「8」でベンチ入り。準々決勝に先発登板するも0回⅓を投げて3失点KO。準決勝では打者での出場のみに終わった。
しかし、悔しさが投手としての窪田をひと回り成長させた。昨年11月に初開催された北海道・東北地区交流大会で今春のセンバツ甲子園にも出場していた2校と対決。聖光学院戦で窪田は先発登板し、自己最速を更新する148キロをマークして9回3失点完投。花巻東戦では打者として特大の本塁打をぶち込んだ。
「秋の大会はピッチャーとしてひどかった。そこでもう一回、ピッチングを見つめ直し、一つの結果が出た。(聖光学院戦は)ボコボコにやられたわけじゃなかったので、そこは良かったかな。バッティングはヒットがそのホームランしかなくて、あまり良くはなかった」
そこで出てきた課題と手応えを受け止め、このオフはよりレベルアップしていくことを目標にしてきた。
窪田投手の投球フォーム
指揮官も目を見張った意識の変化
札幌日大高の森本琢朗監督(44)は投手としての成長に目を見張った。「意識がすごく変わりました。(昨秋に)このままでは投手として自分は投げられないんだ、と分かったと思う。今まではスピードを出すことだけにこだわっていて、スピードを出すメカニックで投げていた。それがちゃんとボールの精度、変化球の質、角度を考えたメカニックを受け入れるようになってきた。ボールの出力もこの時期にしては、かなり上がっている」と、うなずいた。
日本一になったときにマウンドにいたい
ラストイヤーの春季大会は5月12日に開幕する。打者としての評価と、投手としての評価をひっくり返すには実力と結果で示すしかない。「150キロとか、話題に出るぐらいにはなりたいけど、何より抑えられるピッチャーになりたい。自分たちの目標はあくまで日本一。そこは絶対にブレずに、そこを目指していけば、周りの評価もついてくる。まずはチームの目標、日本一に一番貢献できる選手に。このチームでエースになりたいと思って入ってきたので、日本一になった時にピッチャーとしてマウンドにいたい」。その目標を達成したとき、プロ入りへの道も自然と開けてくるはずだ。

■プロフィール 窪田洋祐(くぼた・ようすけ) 2007年7月31日、由仁町生まれ。由仁小1年で由仁ファイターズで野球を始める。由仁中2年時にU14北海道選抜に選出。札幌日大高では1年秋にベンチ入り。2年夏の甲子園に「4番・中堅」で出場。186センチ、88キロ。最速は148キロ。変化球はスライダー、カーブ、フォーク。右投げ右打ち。