伊藤大海が120球完投で今季初勝利 継投託された武田投手コーチが九回のマウンドに送った思いとは―
完投で今季初勝利を飾り、伏見(左)とハイタッチを交わす伊藤=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ1回戦 日本ハム5-2楽天(4月8日、楽天モバイルパーク宮城)
自己最多の13奪三振
日本ハムの伊藤大海投手(27)が8日、楽天戦に先発し、自己最多の13三振を奪い、今季初勝利を完投で飾った。本拠地開幕戦を託された1日のソフトバンク戦は、5回5失点と悔しい思いをしていた。この日は尻上がりに調子を上げ、これぞエースのピッチングを見せた。
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先制弾を打たれたことで大胆に

二回1死一塁から浅村に2ランを被弾。「前回が前回だったので慎重に行きすぎた部分もある。ホームランを打たれてあそこで大胆になれたのはあります」。先制弾を浴びたことで、割り切ることができた。
球場表示で出た最速154キロについては「たぶん出ていない。誤表示だと思います」と否定したが、力強いストレートを軸に三振の山を築いた。四回には万波の同点2ランが飛び出し、「すぐ追いついてもらったので、そこでまた集中力がガッと上がって」と勢いに乗っていった。
試合開始直後の気温は11、2度ほど。寒さ対策として「肘にタオルを巻くくらい」と話していたものの、イニング間にはアウターを着るシーンもあり「さすがに寒すぎました。強がっちゃいました」と照れ笑い。それでも、マウンドでは半袖スタイルを貫いた。
武田コーチも同じ気持ちで続投決断 その頃、ブルペンでは…
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八回2死一、二塁、楽天・小深田から三振を奪いグラブを叩く伊藤
八回1死一、二塁のピンチを切り抜け、その時点で球数は107球。九回に味方が3点を勝ち越し、その裏のマウンドへ「一応(行くかコーチに)聞かれましたけど、全然、行く気満々だった」。この日、新庄監督から継投を託されていた武田久投手コーチ(46)も、同じ気持ちだった。
「代えるときがないでしょう。今日の調子だったら、本人に決着をつけてもらった方が良いと思った。いやでも、すごいね。オレが感動したよ。本当にすごかったね。(ブルペンも)誰も(肩を)つくっていなかった。最高だよね。勝ちも付いて、エースですね。すごい」。試合後、興奮気味に内幕を明かした。
九回2死、楽天の代打・伊藤からこの日13個目の三振を奪い、渾身のガッツポーズを見せる伊藤
カード頭の大切さを再確認
一方、120球の熱投を見せた伊藤は冷静だった。「カード頭の大切さを改めて1週間考えましたし、イニングで体現できて良かったです。この後のゲームがすごく大事になる。また明日しっかりリカバリーして、次の登板へ準備していきたいです」。目指してきた〝絶対的エース〟に、またグッと近づいた。
ヒーローインタビュー後、ガッツポーズを見せる伊藤
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