先輩の勝利への執念が「完全に乗り移った」清宮幸太郎が九回2死の土壇場で決勝打
九回、決勝打の清宮幸がレイエスの適時打で生還し、チームメートとハイタッチを交わす=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ1回戦 日本ハム5-2楽天(4月8日、楽天モバイルパーク宮城)
チーム一丸となってもぎ取った価値ある白星で、日本ハムが連敗を「3」でストップさせた。打のヒーローとなったのは清宮幸太郎内野手(25)。2-2で迎えた九回2死一、二塁という土壇場で、つないでくれた仲間たちの思いとともにバットを振り抜き、2点二塁打で勝負を決めた。
捕られちゃったかなと思ったけど…
九回2死一、二塁、清宮幸が左中間に勝ち越しの適時二塁打を放つ
清宮が放ったセンターへの大飛球が、懸命に追いかけた楽天・辰己が差し出したグラブをかすめて、芝生の上に落下した。2人の走者がホームへと生還し、大きな大きな勝ち越し点が日本ハムのもとへと飛び込んできた。「打球を見ながら捕られちゃったかなと思ったけど、落ちて良かった。2打席目にチャンスで三振していたし、今までもなかなかチームに貢献できていなかったので、きょうは本当に打てて良かった」と、二塁上では安堵の表情を浮かべていた。
松本剛が0-2から粘り四球で出塁
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仲間たちから託されたバトンを、しっかりと決勝点につなげてみせた。この回先頭の奈良間が左前打を放ってチャンスメークしたものの、後続が続くことができず2アウト。続く松本剛も2球で追い込まれたが、楽天の守護神・則本のボールを見極めて、大きな四球をもぎ取った。「剛さんが執念でつないでくれた。完全にそれが乗り移ったな、という感じです」。先輩の勝利への執念を受け継いで打席に向かい、決勝打という結果でその思いに応えてみせた。
「(伊藤)大海さんのピッチングあってこそだったと思います。なかなか点が取れない展開だったけど、ああやって剛さんが粘ってくれた。もちろん奈良間のヒットもあったし、みんなで取った点だと思う」。チーム一丸で勝ち取った決勝打だと、打のヒーローは胸を張った。
試合に勝利し、ハイタッチを交わす清宮幸(左)と伊藤(中央)=撮影・宮永春希
きょうしか来られない人たちがいる
6日のオリックス戦(エスコン)では、打球の判断を見誤って内野安打を許し、その直後に逆転弾を打たれるという悔しい思いを経験。それでも「その日、その日で、きょうしか来られないファンの人たちがいるので、その人たちのために精一杯プレーしようと切り替えました」と、引きずることなく敵地での一戦に真正面から向き合い、勝利に結びつく活躍へとつなげた。
チームは連敗を3でストップさせ、再び貯金生活に。「連敗していたけど、こういうゲームを取れるのはでかいと思う」。本拠地で味わった悔しさをバネに、この勝利から日本ハムが再び勢いを加速させる。