西野奨太が磨き続ける観察眼「裕樹さんと一希くん。手本にすべき存在が近くにいる」
徳島戦で今季初のクリーンシート達成に貢献したDF西野。次戦は札幌で初のフル出場を目指す=撮影・宮西雄太郎
■4月9日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
北海道コンサドーレ札幌は9日、札幌市内で第9節・水戸戦(12日14時キックオフ、ケーズデンキスタジアム水戸)へ向けて全体練習を行った。前節の徳島戦で勝利に貢献したDF西野奨太(20)は、2戦連続のクリーンシート達成を目指して気合十分。闘志溢れるプレーを披露し、首脳陣にアピールした。
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無失点に抑えた徳島戦が自信に
若き才能の存在感は、日を追うごとに高まる。2021年にクラブ史上最年少でリーグ戦デビューを果たした西野が、順調な成長曲線を描いている。J3讃岐への育成型期限付き移籍から復帰した今季は、リーグ戦2試合にスタメン出場。徳島戦では89分間プレーし、相手攻撃陣をシャットアウトした。
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徳島戦では89分間プレーし、相手攻撃陣をシャットアウトしたDF西野
見事な完封劇で飾ったホーム初勝利は、大きな自信を与えてくれた。「僕たち(DF)が一番評価されるのは無失点で終わること。徳島戦は個人もチームも、すごく良い集中力を持って試合に入った。これからも難しい状況や試合が多くなると思う。あの強度を最低限の基準にして、そこに色々なものを積み上げたい」。結果を残したことで、モチベーションはさらに高まっている。
流れを読む力は普段の習慣から 「どの位置で、どうボールを奪うのか」
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対人戦の強さに、優れた戦術眼を併せ持つ。年齢に見合わぬ落ち着きとゲームの流れを読む力は、日頃の習慣の賜物といえる。西野は何気ない日々の練習の中で、先輩選手の動きをつぶさに観察し独自の感性を養ってきた。
「普段からボールがどこへ行くのか、どこのスペースが空くのかを予測している。その能力に長けているのは(宮澤)裕樹さんと(深井)一希くん。どの立ち位置にいるのか、どうやってボールを奪うのか。2人の動きをよく見ています。手本にすべき存在が近くにいるのは、自分にとってすごく大きい」

戦術が変わり能力を発揮しやすい
元日本代表でJリーグ屈指の名DFだった指揮官の存在も、強い追い風となっている。「監督が(岩政)大樹さんになってからは、自分の能力が発揮しやすい戦い方になった。良さが出ているのは、戦い方のおかげ」。ラインの上下やスライド、カバーなど基本的な動きを1から見直したキャンプ期間の取り組みを経て、総合的な守備力が向上した。
最後のホイッスルが鳴るまで
そのポテンシャルに疑いの余地はない。目下の課題は90分間を戦い抜く心身のタフネスさだ。札幌ではリーグ戦フル出場の経験がなく、ピッチ上でサポーターと勝利の喜びを分かち合う瞬間を、密かな楽しみにしている。
「徳島戦でも途中からミスが増えて、ベンチから明らかに疲れているな? って見られていたと思う。チームの勝利が一番なので、そのための交代だと納得してます。自分のポジションは1つの軽い判断や予測のミスが失点につながる。特に頭が疲れますけど、それを90分やらないといけないですね」
将来性豊かな二十歳は謙虚な姿勢で、不動の主力にのし上がる。

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