郡司裕也 〝かとぐん〟バッテリーで今季初勝利 球界屈指の制球力を誇る左腕とはまるで-
加藤貴(右)を好リードし、勝利に導いた郡司=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ2回戦 日本ハム8-2楽天(4月9日、楽天モバイルパーク宮城)
巧みなリードでベテラン左腕の初勝利をアシスト
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が「3番・捕手」でスタメン出場。緩急を生かした巧みなリードで、今季2度目の先発となった加藤貴之投手(32)の初勝利をアシストした。
女房役での〝完投〟に安堵の表情
開幕からマルチな活躍を見せている背番号30が、この日は女房役としてフル出場した。
試合後は「(捕手として)最後まで出たのは初めて。味方がいっぱい打ってくれたので。(今後も)最後まで任せてもらえるように頑張ります」とホッとした表情を浮かべた。
試合終了後、加藤貴(左)とタッチを交わす郡司(中央)
互いを絶賛の名コンビ
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昨季2桁勝利を挙げた左のエースとは、オープン戦から〝かとぐん〟コンビを組んできた。六回途中7安打1失点の粘投を見せた加藤貴は登板後「郡司の配球のおかげで、粘って投げることができました」とコメントした。
先輩左腕からの感謝の言葉に、郡司は「毎回、言っているじゃないですか。毎回、言ってくれているだけですよ」と苦笑いしつつも「要求通りに投げてくださるので、本当にありがたい限りです」と照れくさそうだった。
「キャッチャーが試されるピッチャー」から寄せられる信頼
郡司の言葉を借りれば、加藤貴は「キャッチャーが試されるピッチャー」。抜群の制球力を誇る左腕をリードすることは、捕手冥利(みょうり)に尽きる。
配球を託され「緩急と横と縦と全部、使えるピッチャーなので、満遍なく使うって感じですね。打たれたら僕のせい。向こうが責任を放棄しているので(笑)。でも、任せてくれているのは非常にやりやすいというか、ありがたいですね」という。

まるでゲーム!? 加藤貴のコントロールは「S」
責任は重大だが、楽しさもある。
「こっちがジェスチャーとかで意思を伝えれば、その通りに投げてくれるので、本当にゲームをやっているみたいです。コントロールSのピッチャーをゲームで操作しているみたい」。本職の捕手として出場機会増を求める郡司にとって、貴重な経験となっている。
第2の故郷で快勝に大貢献
この日はフルマスクで計5投手をリードし、チームの勝利に貢献した。試合前には、仙台名物でパワーをチャージしていた。球場のビジター食堂のメニューで、楽しみにしていた牛タンが登場。選手、スタッフ全員の名前を覚えていることで知られる名物の女性スタッフとも再会を果たした。
「なんか落ち着きましたね。いつも温かく迎えてくれるので。杜(もり)の都の牛タンパワーです!」。仙台育英高出身の郡司にとって宮城は〝第2の故郷〟。すがすがしい表情を浮かべ、帰りのバスに乗り込んだ。
