《水戸戦前日》僕のルーツはサッカー選手じゃないんですよね
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
「選手が見つけるんじゃないですか。僕がやるもんじゃないので。常に勝たせるのは選手だと思ってます。こういう言い方をすると、戦術がないみたいな言い方になるかもしれませんけども、僕が作るのは(チームの)仕組み。皆さんの会社も同じかもしれませんけども、パターンで作って、マニュアルみたいなものを『やってください』っていう時代ではないし、サッカーはそういう競技ではないと僕は思っている。仕組み、枠組みを僕が作った上で、選手たちが見つけるという作業が、いろんな状況がいろんなパターンで起こってくるサッカーという競技に対しては必要。それができあがってきたということ。できあがるまではいろんな成功体験、失敗体験がついてきますが、それを1個1個、噛み砕きながら選手たちと共有して3カ月間やってきましたので、ようやくその辺がまとまってきた。今週、オプションで『こういう選手を使えばこういう風なことができる』、『この組み合わせだったらこういうことができるよね』というのを上乗せしていっていますけど、『どれが試合の中で出やすいか、起きやすいか、使いやすいか』っていうのは選手が見つけるものだし、その日のフィーリングによっても変わりますし、ロングボール、ショートパス、グラウンドの状況によっても変わります。勝った負けたでも変わりますね。この前の徳島戦(1○0)なんかも、徳島は勝った状況で来ました、僕たちは負けた状況で入る。すると、立ち上がりはだいたいミスがこっちに起こります。でも、自分たちの置かれた状況をいろんなところから判断していくのが試合なので。90分の中でどうやって勝つかということを考えるというのが、この競技。今、若い選手をどんどん使っていますけど、その選手たちが試合の勝ち方をどんどん身に付けていってほしい。なので、僕が『これをやってください』、『はい、分かりました』でやるような選手を育てるつもりはないし、そう育って代表などに行くはずがない。それはサッカーの競技性」
―今週の練習で水戸戦向けて強調した点
「(相手が)出てくるということは、自分たちが使いたいスペースがたくさん使えます。例えば開幕当初の相手のように、下がってくるときには生まれなかったスペースですので、ありがたい話ですよねって。それがサッカーの原理原則」
―水戸を含めた茨城県は、現役時代や監督で過ごした地
「正直に言いますと、水戸と鹿島って相当、遠いんですね。で、高速がないんですね。僕は10年間、選手でいて、スタッフで2年間、合計12年間いましたが、水戸に行ったのはおそらくプレシーズンマッチの1、2回。あとは免許か何かの関係で行った1回(笑)。あと、水戸に僕の知り合いの選手がいましたので、会いに行ったのが1回、2回ぐらいです。そもそも土地勘もないですし、何も分からないです。ただ、茨城に戻るということの懐かしさは間違いなくあるかもしれません」
―連続クリーンシートへのこだわり
「守備に関しては、4連敗した後は4試合で3失点しかしてません。(平均)0点台で来てますので、先週はチャンスもつくらせてませんし、これも仕組みですね。これが整理されてきて、相手が蹴ってくるチーム、もしくはつなごうとしてくるチーム、その両方に対して成功体験をつけなきゃいけないという話をずっとしてまして。愛媛戦(2○1)では勝ったんですけども、成功体験ではなくて、結構、外されることが多くて。それに対して修正しようというところで、ようやく徳島戦で成功体験がつきましたので、これで試合の中でどっちの相手に対しても、自分たちがこうすればこうなるということは分かってきたと思います。その中で試合を進めていくという作業にはもう入ってますから、それを(残り)30試合で続けるっていうのは、そういう意味も含めてですね、ひと通り攻守ともにできあがってきています」
―この1週間、監督の熱い魂が世の中で話題になっいてる
「正直言って、僕は監督として表にあまり取り上げられない方がいいと思ってるタイプの人間。ですから、周りには冷静を装ってるように見えるかもしれませんけども、監督が主役ではないというのが僕の考え方。できれば目立ちたくないですが、出ていかなければいけない場面では出ていかなきゃいけない。それが僕の仕事。僕のルーツはサッカー選手じゃないんですよね。両親が教師だったので、教師なんですよね。教師になるつもりで育った。教師って、自分が主役になろうなんて思ってないでしょ。おそらく他の選手の監督さんたちとは感覚が違うかもしれません。僕は目立ちたいとは思ってなくて、選手のために必要なことをするだけ。熱くなるのは僕の習性ですが、基本的には目立ちたくないなと」
―かなり好意的な反響
「それは感じてます。僕の知り合いたちも結構、連絡くれたので。これまで、やたらみんな心配のLINEが多かったのですが、今回は良い受け取り方をしてくれる方が多かったので、そうなんだろうなと。でも、(人の)受け取り方で僕の仕事が変わるわけじゃないし、受け取り方とか、僕の見られ方、これまでのいろんな人が『お前、そのやり方だと損してるぞ』と言ってくる方いるんですけど、別に僕が損しようが何しようが、選手のためになるかどうかが基準。でも人に嫌われるよりは好かれた方が良いので、それはありがたいですけど」
―ファンが増えたようだ
「ファンを増やすためにやっているわけじゃないんだけど。教師出身ではないんだけど、両親が教師で、食卓でずっと教師の教育論を浴びながら育ちました。選手の時は選手であろうとしたような気がしますけど、指導者になると一気に僕はそっち側に引き戻された感じがするので、好かれるのはありがたいですが、好かれることが嫌いな人間はいないと思いますが、そのために仕事をしてるわけじゃないなっていうのはいつも思うことですね」
【大﨑玲央が全体メニューに部分合流 「アイツを見たら…」〝不屈の男〟がリハビリの原動力に】
【コンサドーレ最新記事はこちら】
【札幌光星サッカー部初のOB監督に〝黄金世代〟武藤渉さん「自主的に考えていけるようなチームを」】
【道スポ読み放題! お得な年払いプラン】