ファイターズ
2025/04/12 14:30

《ハム番24時》4月12日


 本当に紙一重だった。球場内に、前夜の劇的なサヨナラ勝ちの余韻が残っていた。ヒーローは紛れもなく、郡司だ。ただ、少し気になるシーンがあった。八回2死。打席には矢沢。今井の152キロを強振し、右翼フェンス最上部の青いラインを直撃していた。

 スロー映像で確認すると、ほんの少し高い弾道だったら、スタンドインしていた。試合前の練習を終えた矢沢に、〝ほぼホームラン〟を振り返ってもらった。「マジで行ったと思いました。良い打球速(度)が出ていたので。ライナーでしたけど、練習の感じだったら、これは行ったなという感じはありました」

 この打席に限れば、球界を代表する難敵投手を攻略し、二塁打でチャンスメーク。得点にはつながらなかったが、十分にアピールできたはずだ。ただ、喜びよりも別な感情が勝っていたそうで「もちろん悔しい。ヒーローを逃したなという感じです」と本音を打ち明けた。

 八回に1点入っていれば、決勝打になっていたかもしれない。ワンプレーが明暗を分けるシビアな世界。逃した魚は大きく「いや、もうちょっと。ヒーローでしたから、あの数センチで」と苦笑いしつつ「チームが勝ったので、それでオッケーです」と気を取り直していた。今回は涙をのんだが、数センチの差がプラスに働くこともある。リベンジ弾とヒーローインタビューを楽しみにしたい。

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