伏見寅威 2年ぶりに組んだ金村を好リード バッテリーのスイッチ成功も正捕手は譲れないー
金村を好リードした伏見=撮影・松本奈央
■パ・リーグ5回戦 西武2-1日本ハム(4月12日、エスコンフィールド北海道)
熟練のリードで3年目右腕の粘投をアシスト
日本ハムの伏見寅威捕手(34)がスタメンマスクをかぶり、2年ぶりに金村尚真投手(24)とバッテリーを組んだ。
六回まで毎回、走者を許す苦しい展開も粘りの配球で無失点。今後につながる手応えと反省材料を得た。

結果オーライにはしない
先発の金村をリードするのは2023年4月以来だった。多少の不安はあったが、インプットしてある西武打線の特徴を踏まえ、丁寧に攻めた。
ただ、6回111球の内容は、手放しで喜べず「結果的にゼロなので、よく粘ったなという印象ですけど、一歩間違えれば大量失点というようなゲーム。もっともっと詰めていきたいなと思います」と自戒を込めた。
金村(右)とバッテリーを組んだ伏見
長いペナントレースを見据えた新庄采配
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新庄監督の意向に沿って、昨季はほぼ固定されていたバッテリーを変更した。11日はおなじみの〝さちとら〟ではなく、山崎と田宮が組んでいた。
スイッチした理由について、山田バッテリーコーチは「監督が見たいということです。そのセットだけではなくて、これからどうなるか分からないから」と説明。病気やけがなどで欠場するリスクも踏まえ、シーズン序盤にあえて「専属」を解除し、異なる組み合わせの起用を決めた。
高評価の山田コーチ「伏見の配球かな」
結果的に2日続けて先発投手は無失点に抑えた。導いた捕手の力も大きい。
山田コーチは「良かったと思う。きょうは金村がフラフラしながらも、ゼロに抑えたというのは伏見の配球かなと思う。(山崎)福也の時は、田宮がようやったなと。福也の球も良かった中でそれを感じながら、うまく抑えた。今後もあると思う」と高く評価した。

チームメートは仲間でありライバル
相性や信頼関係に基づく専属捕手の強みは、確かにある。そして、互いに譲れない感情もある。
オリックス時代から山崎と共闘してきた伏見は「(悔しいのは)みんな同じじゃないですか。きょうだって金村の時に、僕が行くとなったら田宮もそう思っているんじゃないですか。仲間ですけど、ライバルなので、みんなが同じ気持ち、悔しい気持ちを持ってやっていると思う。僕だけ特別じゃない。結果の世界なので、結果を出すしかないかなと思います」と表情を引き締めた。
すべては優勝の2文字のために
チームとしては、備えが重要だ。伏見と田宮は期待に応え、慣れないミッションに適応してみせた。
引き出しが増えれば、首脳陣の戦術の幅も広がる。悔しい敗戦の中でも、収穫がたっぷりと詰まっていた。
