藤田大清 野村先輩からのメッセージ胸に奮闘中 横尾コーチからの助言もプラスに
15日の2軍西武戦で三塁打含む2安打を放った藤田大(中央)=撮影・近藤裕介
育成3年目の20歳に進化の兆し
日本ハムの藤田大清外野手(20)が、育成3年目に進化の兆しを見せている。15日の2軍西武戦(鎌ケ谷)では「1番・右翼」で先発し、1軍経験豊富な相手先発の与座から一回に三塁打を放つなど、2安打をマーク。「与座さんとは去年対戦して結構相性が良かったので、ちゃんとその時の動画を振り返って、真っすぐの回転軸とか、変化球の曲がりとかを頭に入れて臨みました。そういう準備がしっかりできていたから、良い結果になったんじゃないかなと思います。根拠があるヒットだったので、そこが去年と一番違うところ。そうなるように準備して打てたヒットなので、質、重みが違います」と手応えを口にした。
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ようやく、体の準備が整ってきた。高校時代から腰痛に悩まされ、プロ1年目は出場なし。腰椎分離症と腰椎椎間板ヘルニアをどちらも患っていたが、入団からの2年間で痛みが出ない動きを身につけた。

腰椎分離症と椎間板ヘルニアの付き合い方
「分離症の方は結構、がっつり骨が離れている。でも、そこ(患部)に負荷がかからなければ、大丈夫なんです。ヘルニアもちょっとだけあって、それも同じく負荷がかからなければ、痛むことはない。負荷をかけないように、バランスをうまく保てていれば大丈夫です。骨自体は治っていないので、油断して(体や動きの)バランスが悪くなってきちゃうと、また痛めてしまう。そこのケアは毎日ちゃんとやっています。その結果、元気にできているんじゃないですかね」
走るフォームも、打撃フォームも、腰に負荷がかからないよう、一から見直した。
「逆に、腰をケガしてよかったなと」
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「基本的にまず走る動作だったら、腰が反ったら負担がかかるので、反らないで膝や太ももが上がってくるように。難しいんですけど、しっかり体幹を固めたまま走る。バッティングも同じように、振り終わりに反らないように、ちゃんと体幹が固まっている状態をキープする。そういう動作づくりを、1、2年目でやってきました。その成果が今年、うまく出てきていると思います。腰に負荷がかからない体の使い方ができるようになると、打球も良くなるし、技術が上がることにもつながる。逆に、腰をケガしてよかったなと、今では思っています」

楽天3連戦に帯同せず残留練習
横尾2軍打撃コーチからの助言も効いた。2軍は11日から仙台で楽天との3連戦だったが、藤田大は帯同せず、鎌ケ谷で残留練習に参加。横尾コーチと、外角甘めの球を遊撃手の頭上へ飛ばす練習を繰り返した。
「目付けの話をしてもらいました。外の甘いコースに目付けをすることで、ボールを見ていられる時間が増える。そうすると、落ち球と変化球の低いところを振らないようになる。バッテリーが振らせたいボールに、バットを止めることができる。外角の甘めはピッチャーが真っすぐで(ストライクを)取りに来るところなので、そこをショートの頭に打ち続ける練習を3日間でしっかりやりました。今までは目付けはあんまり考えていなくて、真っすぐが速いから差されないようにということだけだった。それで、低めの変化球にくるくる回っていたので。外甘に目付けすることで一個、振るタイミングが後ろになった分、一瞬ですけどボールを見る時間が増えるので、きょう(15日)は打つべき球かどうかを短い時間で判断できていました」
「今年はお互い、勝負の年だから、一緒に頑張ろう」
胸に残る言葉がある。今年1月、同じ花咲徳栄高出身で4学年先輩の野村に新年のあいさつを送った際、「今年はお互い、勝負の年だから、一緒に頑張ろう」と励まされた。中学時代に、甲子園で活躍する野村の姿に憧れた藤田大。チームメートとなった今でも、対面では緊張してうまくしゃべれないという。
「同じ高校の先輩なんですけど、偉大すぎて、本当に同じ人間なのかなというところがあるので、いざ本人としゃべると、変に緊張しちゃったりするんですよ。だってすごいじゃないですか」
2本塁打の活躍「もちろん見ました」
後輩に背中を見せるように、野村は開幕から4番で奮闘している。開幕3戦目の2本塁打の大活躍も「もちろん見ました」と目に焼き付けた。刺激を受けないはずがなかった。
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「ジェイさん(野村)が、(昨年から)4番に指名されて、その中で4番に立つことって、相当の責任感だったり、プレッシャーがあると思う。それでも4番で居続けて、結果を出しているのは本当にすごいことで、尊敬します。それを見て、自分も、という気持ちになりますよね」
もちろん、いきなり野村に追いつけるとは思っていない。将来、1軍のレギュラーとして長くチームに貢献することを最終目標に、今は目の前の課題を潰していく。

まずは体づくり「引き出しの多い選手に」
「今、1軍の外野にすごい選手が多いので、まずは体づくりが一番で、その中でケガをしないように、どういうトレーニングを、いつすれば良いか、という引き出しづくりをしていきます。その中でバッティング、守備の試行錯誤をする。悪いことも、今後に絶対つながると思うので、しっかり考えて、いろいろ試して、試した結果どうだったかを振り返る。それをどんどん繰り返していって、引き出しの多い選手になることが今年の目標です。目先の結果は求めちゃいけない。結局、今は結果を出しても出さなくても、1軍で活躍すればオッケーなので」
トライ&エラーを繰り返した先に待つのは、野村がいるエスコンフィールドの晴れ舞台だ。
