多彩な変化球を操る金村は、その手先の器用さを生かし、ゲームも得意だ。鎌ケ谷の勇翔寮で生活していた際には、後輩の松本遼、福島、安西らとマリオカートに興じ、圧倒していたという。「寮生だった頃は、僕がマジで、一番うまかったんですよ。本当にめっちゃうまかったんです。勝負事は負けたらダメなので。何だろうと勝負は負けないよ、という思いでやっています」と鼻を高くした。

　しかし、鎌ケ谷で福島に話を聞いたところ、現在は「金村さんに聞いたら絶対、俺の方がうまいって言うけど、たいして変わらないです。僕の方が勝つかも」と、その差がなくなってきているという。

　金村には言い分があった。「去年、１軍に定着して、なかなかやる暇がなくて。それで久しぶりに寮に行ってやると、福島とかめっちゃうまくなっているんですよ。後輩ですけど、ゲームで勝った時はめっちゃ（あおるようなことを）言ってくるし（笑）。まあ、それで仲良くなったところもあります。今は僕が１位を取ったり取らなかったりですけど、前まではぶっちぎりで１位だったので、練習すれば、たぶん元通りです」

　野球では１軍で先発ローテーションに定着している金村が、福島ら後輩たちをリードしている。「野球的には、（１軍にいて、マリオカートが）下手になった方が良いということですね。今は僕が１軍にいますけど、福島たちの（２軍戦の）結果は見ますし、福島には僕とか、（伊藤）大海さん、北山さんに負けないように、という思いでやってほしいです」

　マリオカートと同じように、野球でも俺を追い抜いてみろ、という優しい先輩右腕からの愛あるメッセージだった。