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2025/04/19 17:45 NEW

万波中正ってどんな人?【有料会員限定】厳選エピソード集 選りすぐりの26本!

万波を知ることができるエピソードが満載

※文中の肩書きは当時のもの

①今季1号(2022年3月27日掲載)

 ビッグボスからの熱い助言が、悩める若き大砲の心を軽くした。12日の広島戦での本塁打以降、オープン戦は19打席連続無安打。開幕後も2試合で3打席全て三振と不調だったが、27日の試合前練習で「悩んでいるの見たくないな。ウジウジやんのは、やめようぜ。何メートル前のボールを振ってもいいから、思いっきりいこう」と背中を押された。「それで本当にちゃんと前を向けた」。指揮官の〝エール〟に、ド派手な一発で応えて見せた。

 万波にはプロ野球選手以外に、もう一つ夢があった。「中学、高校時代から、将来は起業したいと思っていました。就職ではなく、自分で何かをしたかった」。口だけではない。パナソニック創業者の松下幸之助ら有名経営者たちの著書を熟読し、知識を吸収してきた。

 「考え方やメンタルの部分で、そういう人たちは一貫してトライし続ける」。過去には2軍戦であえて打撃グローブをつけず、素手で打席に立ったこともある。今オフは体の操作性を向上させるため、ウエートトレーニングを一切やめた。さまざまなことに挑戦する姿勢の根底には、偉人たちから学んだフロンティアスピリットがある。

②新庄監督予言通りの4号3ラン(2022年4月22日掲載)

 伏線はあった。前カードの楽天3連戦で「高いピッチャーフライを打ちなさい」と指揮官から助言を受けていた。自らも「上から叩こうという意識が強くて肩も体も被っていくような感じだった」とフォームが崩れていると感じていた。外角の変化球に対し、中途半端に手を出す場面も増えていた。

 尊敬するボスの教えを愚直に受け入れ、極端なアッパースイングへの矯正を試みた。ためらわず、スムーズにバットが出るようになり「大げさでいいからってアドバイスを受けて、それがいい結果につながった」と感謝した。

 予言を完璧な形で的中させた新庄監督は喜びを抑えられなかった。終わってみれば、今季最多12得点。頭脳が冴え渡り「当たったでしょ。僕の勘ピューターがきょうはすごく当たったので、良かったんじゃないかな」とご満悦だった。

 21日の試合では、万波が「やることはやってきているはずなので大丈夫です」と励ましの声を掛けていた今川に不振脱却の一発が生まれていた。涙を流すほど感情をあらわにして戦っていた先輩に触発された。

 「打った後、(今川は)ほぼ泣いていたんじゃないかな。でも、それくらい思いが詰まっているのは毎打席感じます。刺激になります」。仲間や指導者に支えられながら、ダイヤの原石は少しずつ磨かれ、輝きを増してきている。

③甲子園で自身初2桁本塁打到達(2022年6月3日)

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