浅間大基 昇格即スタメンで同点打 まさかの忘れ物も母のフォローで危機回避
五回1死一、二塁、浅間が同点打を放ち、ガッツポーズを見せる=撮影・松本奈央
■パ・リーグ5回戦 日本ハム7-4オリックス(4月19日、京セラドーム大阪)
勝負強さは健在! 〝開幕〟を告げるマルチ安打
日本ハムの浅間大基外野手(28)が1軍に昇格し、即「3番・右翼」でスタメン出場した。
四回に今季初安打をマークすると、五回には貴重な同点打。鎌ケ谷で力を蓄えてきた男が3週間遅れの〝開幕〟を鮮やかに飾った。
四回無死一塁、今季初安打を放った浅間(中央)が塁上で笑顔を見せる
チームを救う一打に歓喜 反省も忘れず
ベンチスタートになった万波に代わって右翼を任され、中軸でいきなり先発起用された。意気に感じていた。1点を追った五回1死一、二塁で右前にはじき返して同点。一塁で両手をパンと叩き、沸き上がるベンチの仲間と一緒に喜びを共有した。
自身の働きがチームの連敗ストップにつながり「良かったです、チャンスで1本出ましたし」と納得の表情。続けて「4打席目、5打席目でもう1本打ちたかったですね」と反省も忘れなかった。
五回1死一、二塁、同点打を放つ浅間=撮影・井上浩明
タイムリー談話で伝えた母への感謝
試合中、球団広報を通じたタイムリー談話で「きのう、忘れ物をして、東京駅までお母さんが届けてくれたおかげです。お母さん、ありがとう」と感謝の気持ちを伝えていた。18日の2軍戦(鎌ケ谷)に出場中、1軍昇格を聞き、急いで合流の準備を進める中で、うっかりミスをしていた。
タイトなスケジュールでつい… 中身は…
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スケジュールがタイトだった。できる限り早く、大阪行きの新幹線に乗る必要があった。鎌ケ谷から都内の自宅に戻り、荷物を持って東京駅に移動したが、忘れ物に気付いたそう。試合後、その中身について問われ「それは僕の名誉のためにちょっと…」と苦笑いを浮かべたが「野球にはかかわらないですけど、必要なものだったので、お願いして持ってきてもらった。スーツです」と明かした。
オリックス戦の後はエスコンでの試合を控えていた。チーム全体で移動する際はスーツ着用が必須。東京駅から自宅へ取りに戻ると、時間のロスが大きい。荷物のまとめ作業を手伝ってもらっていた母にフォローしてもらい、午後11時すぎには大阪の宿舎に到着できた。
五回1死一、二塁、同点打を放った浅間(右)
真摯に野球と向き合う日々
ドタバタの一日を乗り越え、結果を残してみせた。開幕1軍メンバー入りを逃しても、鎌ケ谷で純粋に野球と向き合った時間に価値があり「狙い球、目付けだったり、いろいろあるんですけど、チェックポイントを意識しながら、やれているかなと思います」と実感を込めた。
激戦必至の外野陣 「打ったもん勝ち」
ただ、一息ついている余裕はない。外野は万波、水谷、松本剛、吉田、五十幡らがいて、激戦必至だ。状況は十分に理解している。
「打たなきゃ、出られない。バッティングですね。打ったもん勝ちじゃないですか」。前を向く視線に迷いはない。プロ11年目のシーズンが始まった。
五回、二盗を決めた浅間(右)