高校野球
2025/04/22 01:00 NEW

昨秋8強入りの札幌南 道産魚雷バットで旋風再び

道産ダケカンバ材で作った〝魚雷バット〟=撮影・西川薫

メイドイン北広島

 昨秋11年ぶりに全道8強入りした札幌南が、強力な新兵器を導入した。3月に北広島市内に発足した「日本野球の杜」を通じて作成した、北海道産ダケカンバ材を使った〝魚雷バット〟だ。さらに同校が保有する学校林に群生する白樺の間伐材を利用し、練習用の木製バットも初めて作成。昨秋はスタメンの半分以上が市販の木製バットを使用して話題を呼んだが、今年は「メイドイン北広島」のバットで、再び旋風を巻き起こす。

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 世界でオンリーワンのバットだ。長さは84センチ。従来モデルより手元側になる芯部分の太さ(直径)は65.5ミリ。バット先端に向かって細く絞られ先端部の太さ(直径)は56ミリ。メジャーリーグでは、魚雷に似た形状から〝トルピード(魚雷)〟と呼ばれている。今年1月、ヤンキースが使い始めたのを知った田畑広樹監督(42)がすぐに製作を決断。4月に試作品が届き、練習試合ですでにデビューしている。

高校野球の公式戦でも使用可能

 魚雷バットは、NPBでも日本ハムの万波が練習で使ったほか、18日には西武の源田が公式戦で初めて使用するなど脚光を浴びている。16日に全日本野球協会がアマチュアの各競技団体に通達。高校野球の公式戦でも使えることが確認された。いま練習試合で使用している魚雷バットには、雪の結晶をモチーフにした同校の「六華同窓会」のマークが焼き印されているが、そのままでは公式戦で使用できないため「BFJ」規格の入ったバットを、12日の札幌支部開幕に向けて2本発注済みだ。

4月10日、楽天戦の試合前練習で魚雷バットを使用する万波

 

 選手の評判も上々だ。同校は22年秋に札幌支部のチームによる独自リーグ「リーガアグレシーバ」に参加。その中のルールのひとつに「バットは金属ではなく木製や低反発金属を使用」とあり、練習では全員が木製バットを使用している。昨秋は公式戦で金属バットを使用していた村尾壮太主将(3年)は「重心が下の方にあり、僕のスイング的にも、今までなら根っこであまり飛んでいなかった打球も、芯に当たって飛ぶようになった。自分としては使いやすい」。同じく金属組の主軸・本間流郁投手(3年)も「木製で冬に練習すると木製に合ってきて、木製の方がしなりが良くていい」と、新相棒に指名した。

道産ダケカンバ材で作った〝魚雷バット〟を手にする村尾主将(左写真)と主軸・本間(右写真)

 

指揮官が学校林の活用を提案

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