《岩本勉のガン流F論》好敵手に引っ張られた金村の完封 私も松坂大輔に…
■パ・リーグ6回戦 日本ハム2-0オリックス(4月20日、京セラドーム大阪)
オリックスへの苦手意識を払拭
この1勝は大きい。オリックスとの今季初3連戦で3連敗を喫した。そして迎えた今カードも初戦を落とした。そこからの勝ち越し。もう苦手意識がなくなったと言ってもいい。苦手意識が芽生えると、シーズン終盤まで影響するケースがある。今回の2勝1敗には大きな価値がある。
ベテランでも難しい立ち上がり
さあ、それを導いたのは、なんと言ってもシャットアウトの金村だ。立ち上がりは先発投手によくあるパターン。どんなベテランでもスタートは難しい。ピッチャーという生き物は本当にデリケートだ。独特の雰囲気の中、しかも前回の対戦で、4回5失点とオリックスにやられていた。本人もコメントしていたように力んでいたのは確かだ。
二回以降は圧巻の投球 金村の持ち味は…
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ただ、開幕戦での完封が金村にとって非常に大きな経験、自信になっていた。 一回のピンチ(1死一、二塁)を乗り切ると、こえぞ金村という素晴らしいピッチング。持ち味をさく裂させた。彼の持ち味はきれいな「ライン出し」にある。説明するなら、コースを間違えず、逆球もなく、思い通りにテンポ良くアウトを積み重ねていくということ。少々、高めに行っても、コーナーへコントロールされてるので大けがもなかった。
刺激を受けた宮城のピッチング
そして大きかったのがオリックス・宮城の存在だ。言わずと知れた球界を代表する左腕。この日も素晴らしいピッチングを繰り広げた。刺激を受けるのは当然で、好敵手に引っ張られて自分の調子もどんどん上がっていく。そんな光景はよくある。
気合が入った松坂大輔との投げ合い
私にも覚えがある。プロ12年目の2001年だ。忘れもしない6月30日の西武戦。相手の本拠地・西武ドームだった。その年はそれまで10試合に先発し、3勝5敗と乗り切れていなかった。だが、相手の先発は松坂大輔。燃えないはずがない。松坂はそこまでで7勝をマークしていた。
「まいど~!」ならぬ「おいど~!」
ここでナイスピッチングをして勝ったら、新聞に大きくい扱ってもらえる。健在をアピールする絶好のチャンスでもある。結果的にお互い完投。2-1で勝つことができた。試合後、あの厳しい大島監督から、かけられた言葉は忘れられない。「おいど~!」。私の決めゼリフ「まいど~!」をアレンジしたものだったのだろう。意味分からんかったけど(笑い)、大島監督に褒められたことも、うれしかった。
金村よ、まだまだシビれるような投げ合いを演じていってくれや! 期待してるで!