金村尚真 今季2度目の完封で2勝目 好きな漫画は…
完封勝利を飾り、伏見(左)と抱き合う金村=撮影・松本奈央
■パ・リーグ6回戦 日本ハム2-0オリックス(4月20日、京セラドーム大阪)
早くも今季2度目のシャットアウト!
大好きな「あだち充」漫画の主人公のように、1人でスコアボードに9個の「0」を並べた。
日本ハムの金村尚真投手(24)が先発し、開幕投手を務めた3月28日の西武戦に続き、今季2度目の完封勝利を収めた。
完封勝利を飾った金村=撮影・井上浩明
一回のピンチを切り抜けて乗った
前回対戦時に4回5失点で黒星をつけられた猛牛打線を、この日は手なずけた。
初回こそ「相手も良いピッチャー(宮城)だったので、1点取られたら厳しい試合になるんじゃないかなと思って、力んでしまった」と、二塁打と四球で1死一、二塁のピンチを背負った。それでも、4番のディアスを併殺に仕留めて切り抜けると、二回以降は圧巻だった。
四回を無失点に抑え、笑顔でベンチに戻る金村(右)
効いたエース右腕からのアドバイス
伸びのある直球に、切れ味抜群のカットボール、スプリットで打者を翻弄。前回登板後にチームメートの伊藤から「前で放すイメージで」と助言をもらったスライダーも冴え、最後まで相手に的を絞らせなかった。
被安打5の4奪三振。118球で試合を締め、2勝目をマークした。「前回打たれているので、2回やられるわけにはいかなかった。良かったです」と柔らかい笑顔を見せた。
完封勝利にガッツポーズの金村
ベテラン捕手のリードにも満点〝解投〟
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これまでは同学年の田宮とバッテリーを組むことが多かったが、前回登板と同様、この日も伏見が相棒だった。
「結構、緩急を使うなというのはありましたし、きょうのピンチの場面で太田選手にカーブを使った時も、『うわ、ここでカーブを使うんだ』と思いました。それまでに結構、インコースを見せていたので、それがうまく生きたのかなと思います。インコースは投げなきゃダメだなと、試合前から(伏見)寅威さんと話し合っていたので、それを投げ切れたのが良かったです」。女房役の配球の意図を理解し、精度の高いボールで期待に応えた。
完封勝利を飾り、金村(左)と抱き合う伏見
同郷の宮城と息詰まる投手戦
オリックスのエース・宮城との沖縄出身対決に勝った。
「交流はないですけど、高校の時も有名だった。沖縄のファンの方もきょうの試合をすごく楽しみにしてくれていたのかなと思うので、良い試合を見せられて良かったです」と故郷に思いを寄せた。
あだち充作品の大ファン
日々、厳しいプレッシャーの中で戦う右腕。大事な息抜き法の一つに、漫画を読むことを挙げる。中でも、あだち充作品がお気に入りだ。
「最初は水泳漫画のラフを友達に教えてもらって、そこから、あだち充さんが好きになって、読み始めました。H2、めっちゃ好きです。定期的に読むんですよ。(主人公・国見比呂の友達で捕手の)野田がかっこ良くて好きです」

心に残る名シーン 2人のヒーローが激突
「H2」の中でも、特に好きな場面がある。千川高校のエース・国見比呂が、幼なじみのライバルで明和一高校の4番・橘英雄と、高3夏の甲子園で戦うシーン。「木根(が先発)の試合も好きですけど、やっぱり最後の(千川対明和一の)試合ですね。何度か読まないと分かってこないというか、最初に読んだだけでは分かってこなかったので、何度も読んで、そういう感じかと。深いですね。国見比呂が英雄に投げた最後のボールは、曲がらなかったのか、逆に曲げなかったのか、いろんな考え方がありますよね」と、何度も何度も読み返して考察を深めた。
大事な一戦で文句なしの快投
首位相手の快投で、ゲーム差を「1」に縮めた。
「きょう勝つと負けるじゃ、だいぶ違うと感じていました。中継ぎもたくさん使っていたので、長いイニングを投げないとダメだなと感じていたので、実際にそうできて良かったです」。仲間思いで優しく、マウンドでは打者を圧倒する。その姿は、まさに国見比呂のようだった。
ヒーローインタビュー後、ファンの声援に応える金村