松本剛 前日に代打を出されて奮起 宮城撃ち3安打 高い出塁率が貢献の証し
一回2死、二塁打を放つ松本剛=撮影・松本奈央
■パ・リーグ6回戦 日本ハム2-0オリックス(4月20日、京セラドーム大阪)
本領発揮の選手会長!
日本ハムの松本剛外野手(31)が3番でスタメン出場し、宮城大弥投手(23)を相手に今季初の3安打をマークした。
四球を含めて4度出塁し、勝利に貢献。開幕から成績が伴わず、我慢の日々を過ごしてきた選手会長が上昇のきっかけをつかんだ。
期待に応えた猛打賞 「大きな意味を持つかな」
控えに回る日が多くても準備は怠らなかった。今季初めて、中軸の3番に抜てきされた。理由は明確だ。宮城撃ちのキーマンに指名された。一回に左翼線二塁打を放つと、三回と五回にも安打で出塁した。
チャンスメーカーとして機能し「(攻略の)ポイントは真っすぐだと思う。しっかり1打席目に真っすぐを打てたことで、後の2本につながった。マルチではなくて3本出たということは、大きな意味を持つかなと思います」と手応えを口にした。
五回2死一塁、オリックス・宮城(左)から右前打を放った松本剛
きっかけをつかんだ前日の〝我慢〟
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前日19日の試合に伏線があった。四回2死満塁から押し出し四球を選び、チームに先制点をもたらしていた。これが、今季初打点だった。この時点では本塁打を含めて長打が1本もなく、打率は1割台に低迷。本来なら、結果が欲しい状況だったが、はやる気持ちをぐっとこらえ、泥臭く1点をもぎ取った。
タイムリーでもホームランでもない渋い押し出しの1打点に価値があった。「カウントがいいように進んでいったので、強引に打ちにいくというよりはフォアボールも視野に入れながらの打席は送れたかな。すごくあの打席に関しては良かった」と認めた。
チャンスで代打… 「切り替えるしかない」
ただ、ほかの2打席は凡退で八回の4打席目に代打を出された。自らへの怒りがこみ上げてきた。
「もちろん悔しいし、イライラもする。なんで…と思いますけど、冷静になって客観的に見ると、打っていないし、仕方ない部分はある。それを引きずっていたら良くない。とにかく切り替えるしかない」。沸騰する感情は胸にしまい、翌日も続く試合のために集中した。
三回2死、内野安打で出塁する松本剛=撮影・井上浩明
重量打線の中でも際立つ存在感
この日の3安打で打率は.216まで上昇した。一方、47打席で8つの四球を選ぶなど、出塁率は.383。これは清宮、野村、万波を上回っている。安打が少なくても、貢献する方法がある。
「うちはどちらかと言ったら、派手な打線ですよね。ちょっとこう、地味な選手がいてもいいかなと思いながら。評価は周りの方がすることなので僕には分からないです。ただ、やっぱりいいところで1本打ちたいですけどね」。長距離砲にはできない仕事が、確かにある。
五回2死一塁、右前打を放った松本剛(右)