山県秀 エスコンデビュー戦で希望つなぐ執念の内野安打「少しでもチームの勝利に貢献できるように」
九回2死、山県がヘッドスライディングを見せ、内野安打で出塁する=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ4回戦 楽天4-2日本ハム(4月22日、エスコンフィールド北海道)
八回の守備から途中出場
日本ハムのドラフト5位ルーキー・山県秀内野手(22)が八回の守備から途中出場。〝エスコンデビュー〟を飾った。
九回2死という土壇場で迎えた打席では、二塁への当たりを内野安打に。望みをつなぎ、エスコンに詰めかけた大勢のファンの前で、勝利への強い執念を見せた。
希望をつなぐヘッドスライディング
あと1アウトで試合終了という場面で迎えたエスコンでの初打席。「とにかく(1番の)万波さんに回したかった。自分が塁に出て、ホームランで同点だったので、そこを意識して打席に入りました」。山県が放った二遊間への打球は、外野には抜けずに二塁手がキャッチ。だが、決してあきらめることなく全力疾走し、最後は一塁ベースにヘッドスライディング。勝利への希望をつなぐ、内野安打をもぎ取ってみせた。
「2点差あったので、素直に喜べる状況ではなかったですけど、それでも1本出たのはうれしかったです」と本拠地初ヒットの喜びを口にした。
九回2死、山県が内野安打で出塁する
日々、進化の大卒ルーキー
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今月15日のロッテ戦(ZOZO)で、試合終盤に途中出場してプロデビューを飾った。同18日のオリックス戦(京セラ)ではプロ初の先発出場を果たした上に、初打席で記念すべきプロ初安打をマークした。
そして満を持して迎えた本拠地デビュー。「少し緊張感はあったんですけど」と口にしたものの、九回の守備では2度の守備機会をミスなくこなした。「自分ができること、しっかりしたプレーができたので、それは良かったと思います」と手応えをつかんだ。

規定打席未満も打率.429をマーク
キャンプ中の実戦や2軍戦の序盤では、打撃面で苦しむ場面が見られたものの、この日の内野安打で、1軍3本目のヒット。規定打席には満たないが、打率.429と高い数値を叩き出している。
「自分の中で変えていることはあまりなくて。自分の状態が少しずつ良くなってきているのと、ピッチャーのレベルが上がってきた中で、それでもいろいろと試しながら結果が出せるようにやってきた。これからいろいろ勉強していくことばかりなので、それはずっと変えずに挑戦していきます」。飽くなき探究心と、挑み続ける気持ちを胸に、1軍の舞台で活躍し続けられる選手となることを目指している。
堂々の新人エスコン一番乗り!
3月8日にエスコンで行われた中日とのオープン戦では、ドラフト同期の柴田、浅利、山城が本拠地デビューを果たした一方、山県はその場に立つことができなかった。同戦前に行われた新人選手のサイン会で、ファンから伝えられた「エスコンで待っています」という言葉を励みに奮闘を続けた結果、自らの力で公式戦での新人エスコン一番乗りを成し遂げた。
「ファンの皆さんもチームの勝利を心待ちにしていると思うので、少しでも貢献できるようにやっていけたらと思います」。走攻守3拍子揃った名手を目指す〝ガタシュー〟が、その第一歩をエスコンの地に刻み込んだ。
