【’25ドラフト道産子有望株】⑤北海学園大の二刀流・常谷拓輝 打者専念で悲願の神宮切符つかむ
北海学園大の強肩強打の二刀流・常谷=撮影・西川薫
最速144キロの右サイドスロー 春は投手封印
今秋のプロ野球ドラフト会議で指名が期待される選手を先取りする「’25ドラフト道産子有望株」。第5回は北海学園大の強肩強打の二刀流・常谷拓輝(4年)を紹介する。投げては右サイドから最速144キロを誇る二刀流・常谷だが、春は野手に専念。昨秋まで3季連続ベストナインを受賞している遊撃手で、今季は自身初の首位打者獲得を狙う。
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リーグ戦は通算10試合に登板し1勝。先発は1試合のみで救援がほとんどだ。札幌静修高時代からピンチの場面で内野からマウンドへ向かう〝困ったら常谷〟で鳴らしたが、今春は投手を封印する。NPB4球団中、投手で注目している球団もあるが「ピッチャーは高校3年の時から本格的に始めたので、その時からプロに行きたい、と思っていたが、行くなら打者で勝負したい。入ってしまえば、あとは自分の実力で上に上がるしかない、と思っている。監督とこれから話すことになると思いますが、自分の今の気持ちはプロ1本で行きたい」。バット1本で自らの進路を切り開く覚悟だ。

「札6では圧倒的な数字で首位打者になりたい」
大学公式戦アーチは、昨春の開幕戦で放った1本だけ。それでも昨年は打率.320に長打率が.467と広角に打ち分ける長打力と勝負強さを兼ね備え、オープン戦では不動の3番に座る。「札6の中では圧倒的な数字で首位打者になりたい。この3年間、ベストナインは取ったものの、首位打者まではいっていない。まずは首位打者。打率4割は確実に超えて、首位打者を常に狙える位置にいたい。個人的には得点圏打率の部分を去年からずっとこだわっているので、打点を稼げるバッターになりたい」。2年まで合計7打点だったが、昨年は春秋合計17打点と倍増。今年はさらに加速する。
3月末に巨人3軍、西武3軍、東ガスとオープン戦
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3月末の東京遠征では、全日本選手権の日程に合わせ、1日目に巨人3軍、中1日空けて西武3軍、さらに翌日に東京ガスとのオープン戦を組んだ。巨人3軍戦の第4打席では左腕・富田龍投手から逆方向に右二塁打をマーク。しかし翌日の西武戦では4の0。東京ガス戦でも長打を打ったが「ジャイアンツ戦の時は自分の中で思い通りのバッティングができたが、西武戦の時はやっぱり全員素晴らしい投手なのでヒットが出なかった。逆に、西武戦で打てなかった方が、自分のさらなる成長につながる」。自らが目指す舞台の実力の一端に触れ、手応えと課題を得た充実の遠征だった。

9分割の打率は平均していて苦手ゾーンがない
常谷のストロングポイントはミートゾーンの広さと広角に打ち分ける長打力。島崎圭介監督(53)は「いろんなところにバットがちゃんと出る。9分割の打率で言えば、まんべんなくあるんじゃないか。インハイもインローも、アウトローにもバットが出る。穴が少ない。それと、配球の読みが良い。これはピッチャーをやっている影響もある。最近の札6では、ショートを守れて、肩が強くて、バッティングが良い選手って、いなかったと思う」と走攻守三拍子そろっている。唯一の課題はスピード。走力30メートル4秒2の常谷は「できる限り4秒に近づけたい」。フォームの改善やフィジカル向上で、課題克服に取り組む。
プロを目指す4人で誓った「確実に全員で神宮に」
チームの目標は10連勝での完全V。「常に神宮を目指して野球をしているし、ドラフトに関しても神宮に行かないと、可能性が低くなってしまう。自分を含めプロを目指してる4人の間では『確実に全員で神宮に行こう』と誓い合っている」。まずはスタートダッシュを決め、3季ぶりのリーグ制覇を成し遂げる。

■プロフィール 常谷 拓輝(つねや・ひろき) 2004年1月18日、江別市生まれ。上江別小1年時に上江別ブルードリームスで野球を始める。江別第一中では硬式の札幌栄リトルシニアで遊撃手。札幌静修高では1年秋の札幌支部予選に背番号4でベンチ入り。3年春に全道4強入り。北海学園大では1年から投打で出場。投手としては最速144キロ、通算1勝。打者としては通算打率.297。本塁打1本。3年秋まで3季連続でベストナイン受賞。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄。