《鶴岡慎也のツルのひと声》日本の打者のレベルの高さを痛感した古林 この経験は生きる
■パ・リーグ5回戦 楽天8-3日本ハム(4月23日、エスコンフィールド北海道)
気の毒だったバックのエラー
ついに先発マウンドに上がった古林。一回、バックのエラーもあり、いきなり3失点した。ただ、それこそがチームスポーツの野球。味方のミスをカバーしなくてはいけない。とはいえ、記念すべき来日初登板。気の毒ではあった。
投げているボールは間違いなく一流
それでも投げているボールは間違いなく一流だ。上から投げ下ろすストレートは威力抜群で、球持ちもいい。体を傾けながら投げるスタイルは元ソフトバンクのサファテに近い。カーブも大きな武器で、ストレートで空振りを取りやすくしている。加えてスライダーなどの曲がり球。独特の球持ちで、バッターへは、指にくっ付いている感覚を与えるだろう。
浅村に運ばれたアウトハイ直球
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華々しいNPBデビューを飾り、最高のスタートを切りたかっただろう。ただ、今回の経験は必ず生きる。昨季、台湾でMVPを獲得したのだが、配球やペース配分など、勉強すべきことは多い。
六回にはアウトハイの直球を浅村に右翼スタンドまで運ばれた。こういった経験は初めてかもしれない。日本のバッターのレベルの高さを痛感しただろう。
ローテーションの柱になる可能性も
ファイターズにいる限りは移動機会も多い。コンディション維持も必須だ。ただ、まだ若い。素質も素晴らしい。ハイレベルな投手陣を誇る日本ハムではあるが、ローテーションに加わり、主戦として引っ張っていく可能性は十分に考えられる。大投手へと成長していってもらいたい。
期待した初もの同士の化学反応
そしてビックリしたのがスタメンマスクの吉田。古林の初登板。ベテランの伏見に任せるのが大方の考え方。だが、新庄監督は違う。日本ハムに加入し、捕手で初スタメンの吉田を選択した。初もの同士の化学反応に期待したのかもしれない。大胆な采配だった。
捕手としてスタートラインに立った吉田
台湾の大スターの初陣。吉田も相当なプレッシャーを感じていたはずだ。一回にはパスボールもあった。これは際どいボールをフレーミングでストライクにしようとしたものだろう。だが、試合とブルペンではまったく違う。
吉田もまた、貴重な経験を積んだと言える。その中でも打つ方では本塁打を記録した。捕手としてもスタートラインに立った!
優勝に欠かせない安定した守備
2日続けての守備のミスは痛かった。一回1死一、三塁で4番・フランコのゴロを捕球できなかった清宮。しっかり処理していれば、併殺に取れた可能性もあった。前日、遊ゴロを内野安打にしてしまった水野はこの日、スタメンから外された。あらためて守備重視のスタイルをチームに浸透させたい新庄監督のメッセージだろう。
打線がつながっての大勝、投手陣が完璧なピッチングをしての快勝も必要だが、やはりきめ細かいプレーは大事。守備の安定なくして優勝はありえない。もう一度、ピリッと気を引き締めて次戦に臨んでもらいたい。