冬季スポーツ
2021/12/24 14:33

スキー・クロスカントリー 山下 北京切符ぐいっ

2位でゴールした山下。北京五輪出場へ大きく前進し、関係者から祝福を受ける(撮影・野沢俊介)

■全日本スキー選手権距離 23日、音威子府コース

 男女の追い抜き種目が行われた。男子15キロは全体5番目でスタートした山下陽暉(22、自衛隊真駒内)が道内勢最高の2位でゴール。来年2月に行われる北京五輪の派遣選考基準の一つを満たし、出場に大きく前進した。

 3選手がデッドヒートを繰り広げた2位争い。初の五輪出場を目指す山下が「自分の得意な最後の勝負まで持っていければ、勝てると思っていた」と一歩前へ。雄たけびを上げながらゴールを滑り抜けた。
 3日間にわたって行われた今大会。1周5キロのコースを3周する最終日の追い抜きで、2位以内に入れば、五輪派遣選考基準の一つを満たすことになっていた。
 初日のスプリント、2日目のマススタートの成績で、山下はトップから57秒差、2位とは38秒差でスタートした。2周目終了時点で2位集団に位置し、先頭との差は約50秒。「ここで飛ばして(1位を狙いに)いくのではなく、最後までもつれ込むペースにしよう」と作戦を変更。2位狙いに目標を定めた。
 集団のまま最後の直線に入ると「競り合いに勝つ力強さが自分にはある」とラストスパート。持ち味のスプリント力で猛追するライバルを振り切り、北京五輪出場を大きく引き寄せる二つ目の椅子を死守した。
 今後行われるW杯で20位以内を3度以上などの基準を満たす選手が現れなければ、初の五輪出場が確実になる。山下は「(W杯出場選手の)走りを全力で応援して、その結果で外れたなら仕方ない。自分は五輪で勝つ準備だけを続ける」と気を引き締め直した。

■プロフィール

 山下 陽暉(やました・はるき)1999年3月11日生まれ。富山県出身。南砺城端中1年時に距離スキーを本格的に始める。南砺平高では2年時に全国選抜大会で優勝。早大卒業後、今春から自衛隊真駒内に所属。170センチ、65キロ。家族は両親と兄。母の百枝さんも距離スキーの選手で国体に10度出場した。

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