石水社長 サポーターミーティングで〝クラブフィロソフィー〟発表 今夏の補強策も明言
試合後行われたファンミーティングに登壇した石水社長(右奥)=撮影・松本奈央
ホーム長崎戦後に開催
北海道コンサドーレ札幌を運営する株式会社コンサドーレが29日、札幌・大和ハウスプレミストドームで行われた長崎戦後に、サポーターズミーティングを開催した。石水創代表取締役社長(43)とフットボール部の竹林京介部長(49)が登壇し、新役員体制や収益状況、チーム強化計画について参加者に説明。終盤にはクラブを築く信念や価値観を表す〝クラブフィロソフィー〟が発表された。
クラブの指針を3つに分けて説明
若きリーダーが先頭に立ち、遠い未来も愛され続けるクラブを築く。4月の中旬に開かれた幹部合宿の様子を映像で伝えた石水社長はPurpose(目的、存在意義)、Football Philosophy(クラブの理念)、Core Value(中核となる価値観)の3つに分けて、クラブの指針を示した。

ミシャ時代の哲学継承
選手やスタッフにもアンケートを採り、定まったFootball Philosophyは「走る、闘う、規律を守る。その笑顔のために。」
石水社長は「(前監督の)ミシャさんは戦術、ロマンといろいろな話をしたが、試合前は必ず走る、闘う、規律を守る、行くぞ! と言って選手を送り出していた。これは、どの監督になっても基本になる。私たちはその姿に感動するのだと思う。これをコンサドーレのフィロソフィーに制定しました」と、声高らかに宣言した。
竹林部長はデータ交えて現状説明 補強を目指す選手の具体的な特長も
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応援されるチームであるために、勝利を追求し続ける。1シーズンでのJ1再昇格を目指す札幌は、積極的な補強策に打って出る。強化の責任者を務める竹林部長は、リーグ16位と低迷する現状についてデータを交えてファンに説明。決定力不足と失点の多さをポイントに挙げ、今夏の移籍期間中にFWとCBの獲得を目指すと明言した。
竹林部長は「攻撃の対策として決定力があり、攻撃の起点となるストライカーを。守備は対人能力が高く、ビルドアップ能力に長けた選手を補強したい。カウンターから失点する場面が多い。カウンターを受けた時には個の力、スピード、強さが重要になる。その辺が物足りない」と補強の具体案を説明した。

鈴木スカウトが南米視察
Jリーグでは今後、特別登録期間(6月1~10日)と第2登録期間(7月7日~8月20日)の2度、新規選手登録が可能な期間が設けられる。早期の戦力強化を図る札幌は、すでに国内外の有望選手のリストを作成済みだ。さらには4月30日から鈴木スカウトを南米に派遣。視察は約20日間を予定しており、クラブを救う才能を発掘するつもりだ。
「スピード感を出して、6月のウィンドーで補強を完結させたい。精査は必要だが、33名いる現有戦力は基本的に残して、パワーアップしたい。まだ26試合あり、追い越すことは可能。補強してJ1昇格の可能性を高めたい」(竹林部長)

岩政監督には変わらぬ信頼
新戦力の獲得を目指す一方で、指揮官には変わらぬ信頼を寄せている。石水社長は、就任1年目の岩政監督について「体制は少しずつ定着してきて、雰囲気が良く、競争原理が働いている。シーズンは長く、良いときも悪いときもある。岩政さんのサッカーは慣れるまでに時間がかかる。どんなときもサポーターの声援が結果につながる。ぜひ応援して、支えていただきたい」と説明。情熱と哲学を併せ持つ将のタクトに、チーム浮上の命運を託した。
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