《河合CRC竜の眼》シンプルを突き詰めろ
北海道コンサドーレ札幌の河合竜二CRC(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン、43)が赤黒戦士の魅力に迫る連載企画。今回はFW菅大輝(23)の1年を振り返った。プロ生活5年でJ1通算150試合を突破。ミハイロ・ペトロビッチ監督(64)が信頼を寄せる生え抜きFWの強みを深掘りした。
今季序盤は少し悩んでいる印象があったが、夏場過ぎくらいから、本当に良くなった。やることがシンプルになり、自分の長所を生かすことで輝きを取り戻した。
菅の一番の特長である縦への突破はもちろん、シュートで終わる、クロスを上げきる、全力で戻る。自分がやることを整理できたのだと思う。
悪い時は考え過ぎて「いいことをしよう」というプレーが見受けられた。相手が怖がることをやればいいのにな、と感じていた。その点はシーズン中、(荒野)拓馬からもアドバイスがあったと聞く。原点回帰し、すごく成長した。派手なうまさこそないが、あれだけゴリゴリ仕掛けられるWBはなかなかいない。
左WBの競争は激しかった。青木には青木の良さがあり、右を主戦場とするルーカスが左に入る試合もあった。チームとしてはありがたい懐事情だ。先発で出たい菅がどう勝つかと言えば、強みを前面に出していくことに尽きる。シンプルなプレーを突き詰めれば、選択肢が広がる。そこに柔軟な判断が加わることで、もう一段上のレベルの選手になれる。
僕も背負った背番号4を引き継いでくれたが、僕の4番像をもう完全に塗り替えている。ユース時代にデビューを果たし、23歳ですでにJ1通算150試合を突破。素晴らしいキャリアを積み上げており、今後(宮沢)裕樹の持っている記録を抜くような選手になると期待している。長くこのクラブでタイトルを目指してプレーしてほしいし、日本一になり、その経験を札幌に還元する。菅にはそのサイクルの中心にいてほしい。(コンサドーレ・リレーションズチーム・キャプテン)