新人王へ前進!大海9勝 ドラ1対決制した
■日本ハム4-2楽天(7日、札幌ドーム)
金侍の2人が揃って躍動! 日本ハムは7日、楽天とのカード初戦を4―2で勝利した。先発の道産子ドラ1・伊藤大海投手(24)は同じく大卒ドラ1の早川隆久投手(23)と初対決。伊藤は7回7安打2失点の力投を見せ、打線も近藤健介外野手(28)の2打席連続適時打などで援護した。注目のルーキー対決は伊藤に軍配が上がり、チームトップの9勝目をマーク。チームは5試合ぶりの勝利を手にした。
ライバル・オリックス宮城と2勝差
意識しない。そう言っていたが、同じドラフト1位ルーキーの存在は気になるものだ。早川と初めての投げ合い。五回で降板した左腕に対し、伊藤は7回2失点と先にマウンドを降りることはなかった。
「スマートに投球されていたので、なにくそと思いながら投げていました。意識していないとは言っていましたけど、どうしてもする部分はあったので本当に最高の勝利かなと思います」。試合後、ほっとした表情を浮かべた。
早川がテンポ良くアウトを重ねる中、序盤から走者を出す展開。2点を先取してもらった直後の五回には同点に追いつかれた。
その裏、味方が再び勝ち越し、早川をマウンドから引きずり下ろすとギアチェンジ。2点リードの七回は2死満塁のピンチを招いたが、最後は島内を二ゴロに仕留め、両手でガッツポーズを作った。
“先輩”の意地だ。「淡々と僕とは別なタイプ」と評する早川とは、大学日本代表でともにプレー。同じルーキーだが、大学中退を一度経験している伊藤が1学年上だ。早大出身でエリートコースを歩んできた左腕に対し、自身は紆余曲折を経て地元の苫駒大を卒業。「六大(学)には負けたくない」と静かに闘志を燃やしていた。
チームトップの9勝目をマークし、2桁勝利に王手。パ・リーグの新人王争いでリードするオリックス・宮城には勝利数で2勝差まで迫った。
この日は胸に「HOKKAIDO」の文字が刻まれた限定ユニホームを着用する「北海道シリーズ」の初戦。「北海道から始まる1戦目というか、大事なポジションだったと思うのですごく良かったです」。
シリーズのテーマは「HOKKAIDO be AMBITIOUS」。道産子右腕が、エースになるという大志にまた一歩近づいた。
(中田愛沙美)
近藤が先制打&V打 侍コンビ勝利呼んだ
金メダリスト右腕を援護したのは、同じく金メダリストだった。0―0の四回1死二塁から、右翼線への適時二塁打で先制すると、追いつかれた五回にも近藤のバットが火を噴いた。
2死満塁。カウント1―1から楽天・早川のカットボールをお手本のようにセンター返し。2者が生還し、すぐさま勝ち越すことに成功した。「大海(伊藤)に勝ちが付きましたし、チームも勝ったので良かった」と胸をなで下ろした。
ルーキー右腕には驚かされてばかりだ。「いつもそうですけど、気合入っていますし、球数も多く粘り強く投げてくれているので、何とか点数を取ってあげたいという思いで見ていました」と2安打3打点で勝利をアシストした。次は同学年・上沢に白星を贈る。