《道産子F戦士北広島で俺は》④福田俊 勝ちパターンを任される投手に
大学4年間を過ごした青春の地で再び
北広島市にある星槎道都大で福田は4年間を過ごした。青春の思い出が詰まった街が、2023年からの職場になる。
「開閉式の屋根がすごくかっこ良い。温泉もあって野球以外も楽しめそう。自分が抑えて、球場が盛り上がってくれたら興奮すると思う」
中継ぎ左腕が注目したのはブルペンの場所。新球場は〝メジャー仕様〟で、両翼のフェンスと外野席の間に設置される。
「試合の空気感が分かるのがいいですね。ホームランボールに当たらないように気をつけないと(笑)」
記念すべき開幕戦で投げることに、こだわりはない。年間を通して、誰よりもマウンドに上がる選手を目指す。
「シーズンを通して、ずっとそこで投げ続けることが理想。新球場で勝ちパターンを任される選手になって、ホールドを稼ぐ。こいつを投げさせれば大丈夫という選手になりたい」
名前がコールされるだけで大歓声が響くような、新球場の名リリーバーになってみせる。
円山での優勝からプロの道へ
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記憶を思い返し、福田は思わず笑みがこぼれた。2017年秋の札幌円山球場。星槎道都大の3年生エースとして、函大との明治神宮大会道地区代表決定戦に臨んだ。2戦先勝制の1回戦に先発し、8回無失点の好投を見せると、打っても「人生で初めて」という特大アーチをマーク。チームは2連勝で神宮行きを決めた。
2年春、秋、3年春と、3季連続で優勝を逃していた。「勝てなくて勝てなくてやっと優勝だったので、3年秋が一番、うれしかった。やっぱり円山球場が一番、思い出深いです」。札幌円山での〝成功体験〟が、後のプロ入りへとつながった。
■プロフィール
福田俊(ふくだ・すぐる)1996年12月14日生まれ、札幌市手稲区出身。手稲山口小1年時に野球を始める。4年時に神奈川県に移り住み、中学は小田原ボーイズに所属。横浜創学館から星槎道都大に進学し、再び北海道に戻る。1年時から札幌6大学リーグで活躍し、2017年秋は3年生の左腕エースとして優勝に導き、MVPを獲得。明治神宮大会でも全試合で先発し、同校初の準優勝を引き寄せた。18年にドラフト7位で日本ハムから指名を受けて入団。左投げ、左打ち。171センチ、73キロ。