夏季スポーツ
2021/12/30 14:31

北海初戦敗退 セットプレー2発に沈む 全国高校サッカー

後半終了間際の失点で悔しさの残る逆転負け―。北海のGK伊藤主将(中央)が肩を落とすイレブンを励ます(撮影・藤井泰生)

■全国高校サッカー選手権第2日 29日、東京・駒沢陸上競技場ほか

 2年ぶり11度目出場の北海は1回戦で長崎総合科学大付に1―2で逆転負けし、17年ぶりの初戦突破はならなかった。前半31分、右WB西椋弥(3年)が先制ゴールを挙げたが、同40分に同点とされ、防戦一方となった後半38分には、左CKからの流れで勝ち越しを許した。気迫のこもったプレーで必死に食い下がったが、勝利を手繰り寄せることはできなかった。

長崎総合科学大付に逆転負け

 北海がセットプレー2発で敗れた。同点で迎えた後半38分。左CKからのクロスをGK伊藤麗生主将(3年)が相手と交錯しながら一度はクリアしたが、こぼれ球をゴール右角へ押し込まれた。伊藤は「自分があそこで弾ききれる強さがなかった」と肩を落とした。
 前半31分、相手の猛攻を耐え抜き、待望の先制点を奪ったのは北海だった。中盤の競り合いからボールを奪った笹森洸成(3年)が、そのままドリブルで左サイドを駆け上がり、ペナルティーエリア内に進入。左足のクロスは相手GKに弾かれたが、中央に待ち構えていた西が左足で冷静にゴール右に流し込んだ。
 そこから主導権を握りたかった北海だったが、前半終了間際にCKから同点に追い付かれると、後半は守勢に回った。シュート数は、長崎総合科学大付の14本に対して北海は3本。さらにコーナーキックは10本と2本。北海はどちらも前半だけの数字で、後半は防戦一方だった。失点は2点とも前後半残り5分を切ってから。島谷制勝監督(52)は「サッカーの醍醐味(だいごみ)の時間帯で決められたのは力の差」と、悔しさを押し殺した。
 チームの要、MF川崎啓史(3年)が後半14分から左WBで途中出場。今年9月に左足首の骨折で道大会を欠場した。メンバーは「啓史を全国に」を合言葉に、道大会を勝ち抜く原動力とした。伊藤主将は「啓史と大きな舞台でプレーできてうれしかったけど、勝って一緒に喜ぶことが目標だった」と唇をかんだ。
 この試合は3トップの真ん中に道大会では控えだった中村隼成(2年)を抜てきするなど、3人の2年生を先発起用。島谷監督は「全国で戦うための基準が分かったと思う。持ち帰って、練習に励んでいきたい」。悔しい敗戦を乗り越え、さらに強くなって再び全国のピッチに帰ってくる。
(西川薫)

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