美帆女子3000V 国内記録更新 スピードスケート北京五輪代表選考会
女子3000メートルで高木美が叩き出したタイムに会場がどよめいた。4分台の壁を破る3分59秒81。自身が持つ国内最高記録を2秒近く更新する滑りに、「五輪で上位に挑んでいくためには最低でも国内最高記録、リンクレコードを更新したいと考えていた。3分台を見れたのがうれしい」と喜んだ。
前半の1400メートルを全体3位で通過。徐々に同走の佐藤綾乃(25、ANA、釧北陽高出)を突き放すと、600メートル通過以降続けていた31秒台のラップを保ったままゴール。2位に3秒62差をつけて圧勝した。
W杯前半戦の成績で、1000メートルと1500メートルは今大会前に代表入りが決定。この日は500メートルと3000メートルを制し、個人4種目の出場権獲得を確実にした。
五輪2連覇を狙う団体追い抜きと合わせて最大5種目に出場する可能性があるが、高木美は「五輪はこういう3日間とかで終わるような大会と違うので、検討しないといけない。個人的な感覚は500メートルでメダル争いに食い込むには、もう一段階、レベルアップしないといけないと感じている。今話せるのはそのくらい」と明言を避けた。
(島山知房)
■佐藤五輪確実に
佐藤が女子3000メートルで2位に入った。中盤以降、高木美に突き放されたが、派遣S標準記録をクリアする4分3秒43をマーク。1500メートルに続き、代表入りを確実にした。自身2度目の五輪出場に向け、「1500メートルはW杯で3回、表彰台に上がれたので、メダルの期待は大きくなっている。(3000メートルを含め)二つともメダルという大きな夢に向かって、しっかり準備していきたい」と力を込めた。
■郷代表入り前進
郷亜里砂(34、イヨテツク、白樺高出)が、女子500メートルで2位に入り、2大会連続の五輪出場に大きく前進した。「(代表選考会は)何回やっても緊張する。まずは表彰台に上がることが目標だったので、ほっとした」と笑みをこぼした。平昌五輪後に一時は引退するも、19―20シーズンに現役復帰。34歳で迎える2度目の五輪を前に「ここから一つずつ積み重ねていきたい」と意気込んだ。