スピードスケート男子 新浜底力2位 500㍍に続き1000㍍も代表入り前進
■スピードスケート北京五輪代表選考会 第2日 30日、長野・エムウェーブ
男女1000メートルが行われた。男子は500メートルで北京五輪出場を決めている新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)が1分8秒58で2位。森重航(専大3年、別海上風連中出)が0秒01差の3位に入り、ともに2種目目の代表入りに大きく近づいた。
新浜が500メートルに続き、1000メートルの出場権をほぼ手中に収めた。同種目が主戦場の小島良太(23、エムウェーブ)に敗れはしたが「粘って、2位という結果で終われたので本当に良かった」と胸をなで下ろした。
1000メートルは10月の全日本距離別選手権(長野)以来、約2カ月ぶりの実戦だった。W杯転戦中は練習も出場種目である500メートルに絞っていた。「正直、(1分)8秒台を出すのがギリギリ」と万全な状態ではない。それでも、終わってみれば1分8秒台中盤をマーク。底力で表彰台は確保した。
2018年平昌五輪後、男子短距離の勢力図は大きく変わった。村上右磨(29、高堂建設)や森重といった20代の選手が次々に頭角を現し、その先頭を常に走ってきたのが新浜だ。周囲から追われる立場になり、注目を浴び、思うようにいかない時期も多かったが「いろんなドラマがあった3年半のシーズン。このスタートラインに無事に立てたのは率直にうれしい」と振り返った。
今季のW杯男子500メートル8戦のうち日本勢が4勝を挙げた。男子では98年長野五輪以来、24年ぶりの金メダル獲得に期待が高まっている。北京五輪開幕(2月4日)まで約1カ月。「新しい強い自分になって、北京の舞台に立ちたい」。さらなる高みを目指し、初めての大舞台に向けて最後の仕上げに入る。
3位・森重も代表有力に
男子1000メートルで3位に入った森重が、500メートルに続く代表入りを有力にし、「五輪の出場権が懸かっていたので、自分のレースをするだけと思っていた。想像できないタイムだったので驚きました」と振り返った。
全日本距離別では5位に終わっていたこの種目。ライバルで、同郷の先輩でもある新浜が先に好タイムをマークし「自分も500メートルだけじゃないというところを見せないといけない」とスタートラインへ。課題だった最終周回のラップの落ち幅を2・3秒に抑え、自己ベストを1秒近く更新してゴールを滑り抜けた。
飛ぶ鳥を落とす勢いで駆け抜けてきた今シーズン。次なる戦いの場は北京五輪だ。「(2種目)滑れることになれば、代表選手として全力で滑ってきたい」と意気込んだ。
女子1000㍍2位・菜那 代表逃す
女子1000メートルで高木菜那(29、日本電産サンキョー―帯南商高)=写真=が2位に入った。好成績を残したが、すでに代表入りを決めている高木美帆(27、日体大職、帯南商高出)と、この日優勝した小平奈緒(35、相沢病院)で2枠が埋まり、代表権は獲得できなかった。個人種目は3000メートルも代表入りは厳しく、残るは1500メートルと5000メートル。「気持ちを入れて思い切っていく。自分のベストを出せれば」。きょうの最終日に全てをかける。